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それが答えだ!<テレビドラマ>

  「それが答えだ!」 全12回   
              1997年7月~9月 フジテレビ系列放映

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 脚本:戸田山雅司 音楽:服部隆之 演出:若松節朗 他
 キャスト:三上博史 萩原聖人 羽田美智子 酒井美紀 
      麻木久仁子 藤原竜也 深田恭子 藤原紀香
      阿南健治 谷啓 平幹二朗

夏に向かい緑が濃くなる季節になると思い出すドラマです。
前に「刑事ジョン・ブック 目撃者」の項でも書いたのですが、なぜかビデオ化やDVD化がされていない作品です。
今回、第1回だけ観てみました。

ちょっと詳しいあらすじを・・・。
帝都フィルを指揮するマエストロ鳴瀬望(三上)は天才と呼ばれるものの傲慢な指揮者です。
自分の思い通りに演奏出来ない奏者を辞めさせて楽団員の反発を買い、演奏途中で彼らに退席されるという前代未聞のスキャンダルがあり解雇となります。
「あなたは音楽をやる資格が無い」と言われて「資格じゃない。与えられた才能だ」と信じて疑わない彼の挫折です。
村の別荘にひとり住むマエストロ。山小屋の怪人と噂されています。
彼の所に食料品などを届けて、ついでに何かと世話をするのが、白八木中学の体育の教師であり自宅の店を手伝っているらっきょ(マエストロの命名)こと池田(萩原)です。
中学校の教師は、池田の他には有理子(羽田)、千恵(酒井)、浅丘(麻木)、大沼(河原さぶ)、そして有理子の父の平林校長(谷)。
中学3年のオーケストラ部の部員は、和音(深田)、榊(藤原)、律子(吉野紗香)たち。
村おこしのために結成されたオーケストラ部は名前だけでまともな演奏が出来ない状況にあります。
校長は池田に部の顧問を頼みますが、有理子先生は受験を考えてオーケストラ部を存続させることに反対の立場です。
一方、マエストロは“大工さんたちが第九を演奏する会”や“みかん生産組合の未完成”(笑えます)などを紹介しに訪ねてくるマネージャーに当り散らしながら過ごしていますが、ある日国際フィルからの依頼の話を持ち込まれます。
勇んで出かけようとした彼の元に国際フィルの宮園(平)から電話があり、条件として帝都フィルへの謝罪を皮肉を交えながら要求されます。

激怒したマエストロ。
ワインのボトルを投げつけガラスを割ってはみたものの、好きならっきょ(池田の父の手作り)だけは投げるのを思いとどまります。
形ばかりの顧問のはずの池田は、生徒の下手な演奏や和音の転校話などでまったく知らないオーケストラについて勉強したり(雑誌名「牛にもわかるオーケストラ」!)、音が欠けているピアノを一生懸命磨いたりしています。
その池田に楽器屋と間違えられピアノの修理を頼まれて一度は演奏会のために断ったマエストロですが、音楽室を訪ねてきます。
修理をして、ピアノに向かったマエストロ。
「マーラーの交響曲第5番第4楽章」が校舎、そして緑の山々に静かに流れていきます。
生徒や先生たちが集まって来る中、弾き終わりそのまま陶然として立ち去っていくマエストロ。
有理子先生一人が彼が何者なのかを知ります。
音楽に浸ったままのマエストロの後を池田が追います。
「あれは何だったんですか?あれが音楽というものなのですか?」生徒たちに音楽を教えてほしいと叫ぶ池田に黙って去っていくマエストロ。
「この村とこの中学に初めて音楽が訪れた瞬間だった」と池田のナレーションが入ります。

第1回はここまでで、物語の導入部です。
生徒や先生とのエピソードを交えながら、彼らとのふれあいの中でマエストロがどのように変わっていくのかという、ある意味わかりやすいテーマとは言えます。
本物の音楽に魅かれていく生徒たち、そしてコンクールへの挑戦、お互いに反発しながら惹かれあっていくマエストロと有理子先生、有理子先生に片思いの池田、その池田を慕う千恵・・・。
盛りだくさんなのだけれど、すべてが音楽とあの澄んだ空気の中に昇華していき清々しさだけが残ります。

一番好きなシーンは律子(吉野)が失恋をした回。
湖に舟を浮かべて黒い服を着た律子を一人乗せ、そのほとりでマエストロがタクトを振り部員が「フォーレのレクイエム第5曲」を演奏するシーン。
失恋をした彼女への思いやりと音楽が見事に一致して、そしてその音楽が湖や山々をも大きく包み込んでいく様子が感動的でした。
音楽ってすごいんだなあとしみじみ感じたものでした。
全編に音楽と澄み切った夏の風景がふんだんに映し込まれていて、それだけでも魅せる作品です。
それにしても、田舎を舞台にしたファンタジーですね。私の好きな・・・。

主役のマエストロは好感の持てない人間として登場します。
ドラマとしてはそのままでいくはずもありませんが、結構珍しい設定ではなかったかと思います。
傲慢だけれど音楽に対する思いは純粋で熱く、人々との関わりの中で影響を与えながらも自らも指揮者としても人間としても成長していく姿に最後まで引き付けられて観ていました。
三上さんは、尋常ではない俳優さんなのでしょうね。
いつも引込まれて観てしまいます。
だいぶ後になりますけど、たしか浅野温子さん相手に二重人格者の役をやっていました。
すごい!としか表現できませんでしたね。
現在、月9に出ているらしいですが、観ていないので何とも言えませんがどうなんでしょうか。
何だか違うという気がしてなりません。

今回、萩原聖人さんが印象的でした。
当時はあの元気さがうっとうしく感じたものですが・・・。
生徒とマエストロの間で奮闘したり、有理子先生への思いとか、彼の純朴さが自然に伝わってきました。
生徒とマエストロの距離が縮まって、有理子先生とのこともあって自分は必要ではないのではないかと村を去ってしまう回がありました。
三上さんの熱演のそばで自然体で細やかな表現をしていたのですね。
その時だから出来る役ってあるんですね、きっと。

羽田美智子さん、生真面目なだけではなく生徒思いで、転校を悩む和音に「目標を見つけるまでに時間がかかった自分」を語る姿が素敵でした。
今は「警視庁捜査一課9係」で、はじけた大人の女刑事役ですね。
楽しんで観ています。

そういえば、酒井美紀さんが出演していますが、可愛いです。
話はちょっと変わりますが、「冬のソナタ」が大ブームだった頃、私も人並みにハマっていました。
あの頃、日本の俳優では主役の二人の代わりに誰がふさわしいかというアンケートがありました。
あまり印象に残る回答は無かったのですが、私は山本耕史さんと酒井美紀さんとが演じてみたら素敵なのではと思ったものでした。
二人とも演技の達者な方だと思いましたし・・・。

藤原竜也さんや深田恭子さんとともに、藤原紀香さん(喫茶店の看板娘)もこのドラマで初めて観ました。
笑えるくらいお色気ムンムンでした。
後の草なぎ剛さんとの「スタアの恋」の紀香さん、可愛らしくて素敵でした。

主題歌はサム・クックの「ワンダフル・ワールド」歌はウルフルズです。
ラストで、牧歌的な景色をバックにトータス松本さんの声が流れてきて癒されます。
英語と日本語を混ぜた歌詞が面白いです。
Don’t know much about history と「どの街まで行けば・・・」
耳では韻を踏んだように聴こえてきます。

クラシックは未だに苦手なため、記載した曲名はCDで調べたものです。
当時、私自身の中では何度目かの盛り上がりを見せたのですが、いつの間にか又冷めてしまいました。
去年の大晦日、紅白もお笑いにも興味が無く延々と教育テレビのクラシックコンサートをかけていました。
もちろん、別の作業をしながらですが・・・。
時間をかけて慣れていくしかないのでしょうね。

*外国の俳優の名は呼び捨てにするのに、日本の俳優にはつい「さん」付けしてしまうのは何故なんでしょうか。

「それが答えだ!」 サウンドトラック
・クラシック・ヴァージョン

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「それが答えだ!」サントラ・
クラシック・ヴァージョン2 マエストロ鳴瀬望~名場面曲集

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それが答えだ!
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