「風林火山」完走直前
きょうの「スタジオパークからこんにちは」(NHK)で「風林火山」山本勘助役の内野聖陽さんを観ました。
リラックスした素顔と役とのギャップに、俳優って(というより役者って)凄いなあと・・・。
自信の感じられる彼の表情を観て、語ることを聞いていると、俳優(役者)ってやりがいのある素晴らしい仕事なのだと、まるでねじ伏せられるように思わせられてしまいました。
ドラマ「風林火山」は今度が最終回。
大河ドラマを最後まで観続けるのは何十年ぶりかのことです。
何とか思い出そうしても「天と地と」(1969年・石坂浩二主演)しか思い出せません。
地元で、全国的にも大人気だった「独眼竜政宗」も7、8回ぐらいで挫折しています。
今回、なぜここまで観続けられたのか自分でも不思議だったのですが、内野さんの言葉で納得したことがあります。
“ケレン味のあるドラマにしたかった”とのこと。
“ケレン味”(後述)と言われて、自分の中にストンと落ちるものがありました。
(腑に落ちた・・・と書きたいところですが、表現方法として問題があるとも言われているので自粛)
よく現代風な解釈をして万人向けに作った時代劇がありますが、大河ドラマの場合長丁場ですから私などはすぐ飽きてしまって付き合いづらいのです。
歴史物や時代劇はやはり昔のことはわからないことが多いのですから、多少オーバーでも派手に“らしく”作った方が楽しめます。
それを演じるのがベテラン・新人問わず芝居巧者と言われる人たちであれば尚更のことです。
9日(日)の最終回直前の放送は、武田信玄の弟・信繁が主役とも言える回でした。
信繁役の嘉島典俊さんはこの番組が初見の俳優さんです。
どんな経歴の俳優さんなのかは知りませんが、豪華な俳優陣の中で地味な役ながらも役そのもののように最後まで演じきったように思います。
決戦前夜、信玄と二人で酒を酌み交わすシーンはよかったです。
あの時代には珍しく、最後の最後まで兄を信じ従っていた人なのですね。
母の形見に兄信玄が文字を書いたホロを家来に預けるシーンも泣けました。
その直後に討って出て、諸角(加藤武)も後を追っての討ち死に、と壮絶でした。
それにしても、諸角氏は81歳だったとは、あまりに凄すぎて驚きを通り越してしまいました。
気になったのは、あの決戦前夜の食事シーン。
勘助・村木・真田の3人が昔を回顧しながら、結局“お屋形様がすべて”と語り合います。
そして周囲には三々五々食事をする兵たち。
食事をすることは人間の生活に欠かせないものなのに、何とも間延びした感じ、もっと言えば間抜けな感じに見えてしまったのは私だけなのでしょうか。
“緩急”の“緩”の部分なのでしょうか。
もうひとつ(重箱の隅を突きます)
宇佐美定満(緒形拳)が上杉政虎(ガクト)へ霧のことを知らせに来るシーン、緒形さんがなぜかヒョコヒョコ出てきました。
走り出てくるには、20キロの甲冑(きょうの内野さん曰く)では大変だったのでしょうが・・・。
大詰めを迎えて、観る方も気合が入っているので気になってしまいました。
最終回、楽しみにしています。
来年の「篤姫」は最初から観ないと思います。
「風林火山」のような作り方を想像しにくいものですから・・・。
そういえば、長いこと「大河ドラマ」という呼び方は通称だと思っていました。
オープニングにちゃんと「大河ドラマ」と銘打っていることに最近気がついたものです。
<付記>
「ケレン」とは歌舞伎用語でいうと仕掛けや道具などで観客を驚かせたり意表をつく演出をしたりすること。
一般的に「ケレン味」というと「はったり」とか「ごまかし」という意味に使われることが多い。
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