旬の花時計


過去記事一覧

  • 各カテゴリーページの
    最後をご覧ください。

月別・カテゴリー別バックナンバー

ブログ内検索


  • カスタム検索

参加ブログランキング

« 「旅の香り」相棒チームが京都へ | トップページ | 「ちりとてちん」なりたいもの »

いのちのいろえんぴつ  <テレビドラマ>

ドラマスペシャル「いのちのいろえんぴつ
                     2008.3.22. テレビ朝日系列放送

脚本:橋部敦子  演出:唐木希浩  音楽:葉加瀬太郎
キャスト:国分太一(香川康介先生) 藤本七海(豊島加純) 
      杉本哲太(加純の父) 高橋由美子(加純の母) 
      片瀬那奈(鳴海先生) 蟹江敬三(山村校長)
      原田美枝子(小山内先生)

★一言コメント★
実話に基づいたドラマとのことですが、子供たちにこそ観てほしかったドラマです。
どうして「ドラえもん」などの時間帯に放送出来なかったのか、と残念でなりません。

★あらすじ★
北海道厚岸町の小学校に香川先生が赴任してきます。
酪農地帯にある小さな学校で、5、6年生で12人という複式学級を受け持つことになります。
純朴で伸び伸びとした生徒たちと出会い、希望に溢れて新生活をスタートした香川ですが、生徒の一人が脳腫瘍で余命半年という事実を知らされます。
その加純ちゃんは、明るく前向きな女の子です。
次第に身体が不自由になり車椅子生活となりながらも、それでも学校が大好きで通い続けます。

★おすすめポイント★
・まず、葉加瀬太郎さんの明るく爽やかな音楽に救われます。
いのちのいろえんぴつ」公式サイトへ行くと音楽が流れるので聴いてみて下さい。

・厚岸町の綺麗な風景を観ていると「電池の切れるまで」(2004年・テレビ朝日)を思い出します。
あのドラマも、長野県の安曇野の綺麗な景色と穏やかな陽射しに救われながら観たものです。

・このドラマはたまたま橋部さんの脚本と知って録画していました。
彼女の作品は、「僕の生きる道」(2003年・フジテレビ)「僕と彼女と彼女の生きる道」(2004年・同)「僕の歩く道」(2006年・同)とどれにも感動したものですから・・・。
このドラマの後半、加純ちゃんが夜に一人、布団の中で“死にたくない”と泣くシーンがあります。
「僕生き」で草なぎさんが矢野さんの前で、やはり“死にたくない”と号泣するシーンがありました。
彼らの、一人で死に向き合う気持ちを推し測れば、胸が押しつぶされるように痛むシーンでした。

・話は変わりますが、柳田邦男さんの著書の中に末期がんの看護師さんの話がありました。
若くて賢くて完璧に仕事をこなす女性で、それだけに親を含めて他人に甘えたり弱みをみせることが出来ない性格だったようです。
死の間際、母親が病院のベッドで一晩添い寝をし、彼女は小さな子供のように甘えていたといいます。

・このドラマでは、両親は悩みながらも加純ちゃんには病状を知らせないで、必死にさりげなく見せて日常生活を続けていきます。
途中に何度か入院をしたりしているので、本人は自分の身体の異変には気づいているはずです。
不安に押しつぶされそうになりながらも、両親や妹たち、そして学校の友達に明るく優しく接していた加純ちゃんの姿を観ていて、あまりのけなげさにこの話を思い出してしまいました。

・昨日のニュースで、小学校の卒業式の後に自殺した子供のことを知りました。
事実かどうかはわかりませんが、卒業式での言い間違いが原因とのことでした。
卒業式を台無しにしてしまったという思いに押しつぶされてしまったのかもしれません。
それは生きていてもずっと残っていく心の傷かもしれませんが、消えることは無くても年月はその傷を薄くはしてくれます。
本人にとってはどんなに年月を経ても忘れられないし笑い話にはならないことかもしれませんが、それでもそれに耐えて生きていて欲しかったと思っています。
ありきたりの言い方になってしまいますが、現実に生きていたくても生きられない人がたくさんいます。
その人たちのためにも生きて欲しかったと・・・。
このところ、“誰でもいいから殺したかった”そんな言葉がテレビから何度も聴こえてくる毎日です。
今だからこそ、まず第一に子供たちに“命の大切さ”を教えることが必要なのだと思えるのですが・・・。

・香川先生役の国分太一さん、何だか素のままのようでした。
「ザ!鉄腕!ダッシュ!!」(日本テレビ)などで見られる性格の良さそうな姿がありました。
半年の命と告げられた生徒に何が出来るのか、悩みながら彼自身も成長していくようなドラマに感じました。

・加純役の藤本七海ちゃん、とても自然な演技に感じました。
妹思い、親思いでいて、一人で耐えている姿がいじらしくて泣かされました。

・原田美枝子さん、香川先生を助けて生徒たちを見守り、大きく包んでくれている先生役でした。
「北の国から」の純ちゃんたちの先生が年を重ねて、より愛情深くなったという感じでしょうか。
加純ちゃんの残り少ない時間に火を灯すように、絵と詩を書くことを勧めるとても大切な役柄でした。

・片瀬那奈さんは、香川先生と対立するかたちとなる先生役でした。
善人ばかりが登場しているようなドラマの中で損な役回りですが、冷静で香川先生に比べて大人を感じさせる先生です。
ラストの運動会で、たまらずに綱引きに加勢していますが、最後までクールに優しく見守る方がよかったような気がします。
彼女が生徒たちに愛されていることは最初の始業式でわかっていましたから・・・。
加純ちゃんが亡くなった後の運動会、辛い話なので最後は明るく終わらせようとした配慮なのでしょうか。
確かに、全編に流れる音楽と合わせて救われたエンディングではありました。

・“春をどうぞ” という何の不思議も無い言葉が耳に残ります。
子供たちを中心に家族で鑑賞し、命の大切さや友情、親の思いなどについてぜひ語り合って欲しいと思える作品でした。

いのちのいろえんぴつ
いのちのいろえんぴつ

« 「旅の香り」相棒チームが京都へ | トップページ | 「ちりとてちん」なりたいもの »

作品タイトル~あ行」カテゴリの記事

amazon


スポンサーリンクⅠ


楽天


スポンサーリンクⅡ



無料ブログはココログ