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「無理な恋愛」おとなの分別

無理な恋愛」(フジテレビ)は毎週楽しんで観ています。
観た後は、堺正章さんが歌う主題曲「忘れもの」が耳について離れません。
懐かしい昭和の匂いがするような感じがして、覚えやすい曲です。

昨日(29日)は第4回でしたが、回を重ねるごとにすんなり自然に楽しめるドラマになっています。
年齢的に堺さん演じる正午の立場で観てしまい、切なくほろ苦い気分になるのですが、嫌な気持ちにはなりません。
彼のおとなの分別が心地良くさえ感じます。
飄々として、色気は見せても生々しさを感じさせない堺さんの真骨頂かもしれません。

同じように小説家を目指していた友人が華々しくデビューして、落ち込んで酔っ払って帰ってきた龍彦(徳井義実)をかえで(夏川結衣)が怒ろうとした時に正午が止めるシーンがありました。
おとなだなあと感心しながら観ていたのですが、ふとどこかで聴いたような声のイントネーションに感じました。
それがすぐに「ちゅらさん」(2001年・NHK朝ドラ)のお父さん(堺さん演じる)の沖縄言葉と同じなのだと気がついたものです。
あちらはけっこうおおらかでいい加減なセリフが多かったとは思うのですが・・・。
正午がとても良いセリフを言っていたはずですが、すべてあのお父さんの声に聴こえてしまって参りました。
今、調べてみたら脚本はどちらも岡田惠和さんでした。
道理で、と思った次第です。
堺さんと岡田さんは相性がよいのでしょうか。

二人のために部屋を空けて正午は部下の矢代(田中圭)の所に転がり込むわけですが、次の日会社でその関係に焼もちを焼いたような祥子(青木さやか)の態度に笑えました。
廊下に出てから"(自分のことを)女だと忘れていたよ、いつのまに"って・・・。
青木さやかさん、バラエティと違う魅力があっていいなあと思っています。
チュートリアルの徳井さんもそうですが、お笑い芸人さんって本当に器用なのだとあらためて感じています。

"切ないけれど、彼女の幸せな顔を見たりすると嬉しい"と言う正午に、かまやつさんが"それって愛かもしれないよ"と・・・。
例え若い二人から"尊敬出来る大切な(ある意味、便利な)友人"としてしか見られていないとしても、それを包み込む大きな愛情ではあるわけですよね。
切ないですが・・・。

個人的に注目の鈴木砂羽さん、夏川さんとの掛け合いも地みたいで楽しいです。
かまやつさんの店のカウンターでいつも無表情で本を読んでいる若い女性も、ちゃんと二人の会話を聴いていて面白いですし・・・。
どの登場人物も、トゲが無くて安心して観ていられます。
こんな時代ですから、こんな夢みたいな優しいおとなのドラマのひとつもあっていい、と思っています。

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