「相棒ー劇場版」観てきました。
「相棒ー劇場版」を観に、久しぶりに映画館に行ってきました。
実は、映画になると知った時から最近まで観に行くつもりはありませんでした。
ドラマでの濃密な世界が、派手にスケールが大きくなるだけで薄まってしまうような気がして、正直魅力を感じていませんでした。
それも、水谷豊さんや寺脇康文さんの(特に水谷さんの)想像もしていなかったテレビでの怒涛のキャンペーンを観てしまうと、ぜひ成功して欲しいと思うようになりました。
5月1日に公開されて大ヒットして、それにつられてさまざまなブログや掲示板で感想や意見を見るようになりましたが、絶賛もあるし、批判もあるし、中にはネタバレもあるし・・・。
実際のところ、何かを言おうとしたらとにかく観てからのことでしょうと思った次第です。
それに、映画は映画館で観るように作られているはずですから、いずれDVDやテレビで観られるとしても映画館で観ることの意味があるはずです。
そんな基本的なことにあらためて気がついたものですから・・・。
(ここからはネタバレに近いことを書いていますので・・・)
正直、「相棒」が映画でグズグズになってしまっているのではないかという心配があったことは確かです。
でも大丈夫でした。
テレビでの魅力もちゃんと表現されていましたし、スケールアップもされていて映画ならではと思えるシーンの連続でした。
マラソンのシーンも大掛かりでしたが、それに合わせて亀山(寺脇康文)と伊丹(川原和久)のボートの爆発を防ぐシーン、右京(水谷豊)が閉じ込められた工場の爆発シーンへと畳み掛けるようなシーンの連続で息もつかせぬ展開でした。
犯人とのチェスは、ゲームがわかっていたら楽しめたのでしょうが、そこだけは残念でした。
まだ観ていない人のために、ネタバレになるようなことは書くべきではないのでしょうが、たとえ犯人などがわかっていても、「相棒」ファンならドラマでは観られないシーンがあって楽しめると思います。
レギュラーにセミレギュラー、ゲストにちょい役のゲストと豪華な(でも、「相棒」向きの地味だけれど演技派の)出演者で、誰一人無駄な役はありませんでした。
木村佳乃さん(片山雛子)は、ドラマでもですがこちらも儲け役でした。
小野田官房長(岸部一徳)といい勝負です。
デビューのドラマ「元気をあげる~救命救急医物語」(1996年・NHK)を観ていますから、“こんなに良い女優さんになって”という思いが湧きます。
「相棒」に出演した女優さんは、鈴木杏樹さん(「ついてない女」他)も大塚寧々さん(「バベルの塔」)も一皮向けて素敵になっていると感じるのは私だけでしょうか。
脚本は戸田山雅司さん、最近「せんみつ」(平田満さん出演)の再放送を観て面白かったですし、「女王の宮殿」(大空真弓さん出演)も好きです。
何より「それが答えだ!」(1997年・フジテレビ)が大好きでしたから、興味が尽きない脚本家です。
映画を観に行くことにした理由のひとつは、水谷さんと西田敏行さん(木佐原役)のシーンに興味があったからです。
皆さん、絶賛していましたから・・・。
西田さんがこんな素晴らしい俳優だったとは知らなかった、と書いていた人もいました。
二人のシーンは、イメージしていたような長い時間ではありませんでしたが、確かに西田さんは「釣りバカ日誌」や朝ドラとはまったく違う人でした。
テーブルを挟んだ二人を左側半分に水谷さんの上半身、右半分に西田さんの後姿での上半身という構図がとても印象的でした。
スピードとアクションの後のあくまで静かなシーンで、ここが後半失速と感想を書いた人の部分なのでしょう。
ノンストップアクションばかりではなく、こういうところが「相棒」なのだと思いましたが・・・。
あくまで静かで重いセリフのやりとりがあって、「相棒」らしい右京の考え方も語られていて良いシーンだったと思います。
個人的に気になったのは、木佐原の病室で右京が読む手紙が長すぎる気がしました。
別な表現方法は無かったのかなと思いながら、泣いてしまいましたが・・・。
ここで描かれた事件は、拉致された日本人が殺されてしまった実際の事件を連想させると言うことですが、恥ずかしいですが、私はこの事件を覚えていません。
ネットで実名を挙げて意見が交わされていて、初めて知りました。
亡くなった方を自己責任として世論も批判していたのですね。
当時、たぶん耳にはしていたのでしょうが、意識的に入れないようにしていたのかもしれません。
映画で語られていることは重いです。
マスコミの報道について言えば、その重要さを認めながらもどこかでそれを疑ってかかる姿勢はあっていいと思っています。
この映画を観て感じたことは、出来事に対して“何かを語る”まして“実行をする”時には、まずワンクッション置いて自分の中で反芻をすることが必要だと思いますし、自分の行為にはそれこそ自己責任があるのだということでした。
相手に自己責任を求めるのではなく、まず自分自身にでしょう。
それに、相手を非難する資格があるのは、相手によって傷つけられた者だけだと思っています。
第3者が軽々しく非難をするのは避けるべきだと・・・。
こういう問題を提示するのも「相棒」らしいところです。
きょうは雨上がりの寒い日だったのですが、朝一番の上映でも60%ぐらいは入っていました。
やはり高齢者や中年夫婦などが目立ちましたが、若い人もいました。
昔は映画を観た後の自分がとても良い顔をしていた(あくまで自意識で)ことを思い出しました。
本当に久しぶりでしたが、これを機会にもう少し映画館に足を運びたいと思ったものです。
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