「無理な恋愛」ゼロに戻る
遅くなりましたが、10日に放送された「無理な恋愛」第10回の録画を観ました。
最終回直前ということでヤマ場になっていました。
かえで(夏川結衣)も龍彦(徳井義実)も前を向いて着実に歩き出して、その逆に正午(堺正章)はゼロに戻ってしまいました。
この時期で、人生の振り出しに戻るのはかなりきついですね。
それでも、あえて自分でゼロにしたのですから、彼の場合どこかにやり直せる自信はあるのだと思いました。
あえてゼロにした(結果を出せない仕事を止めた)、独り身の自由さと我儘があったにしても、“必要とされてないのにいるのはつらいよ”という気持ちはよくわかりました。
“何もなくなることの怖さを知っている”上での決断ですからよけいに・・・。
ケンちゃん(ムッシュかまやつ)のお店でいつも本を読んでいるカウンターの若い女性が珍しく声をかけました。
「恋はどうするんですか?」
「何も無くなった60歳にはきついでしょ、恋は・・・」
切ないですね。
やはり、歳をとるということは何もかもが見えてしまう、見え過ぎてしまうということのようで・・・。
それでも、みんな正午を気にかけているのですね。
ケンちゃんやカウンターの女性、元奥さん(夏木マリ)、そして部下の文平(田中圭)と秘書の祥子(青木さやか)。
青木さん、無表情でいながらも正午を気にかけている様子が見えてとてもよかったですね。
青木さんがらみで、ドラマの登場人物の中で一番印象に残る気がします。
カウンターの女性も、ですが・・・。
祥子と文平がそのまま放っておくとは思えません。
かえでも龍彦も何も知らない状況にあるとは言え正午の事情を推し測れないわけで、今がいっぱいいっぱいなのでしょうが、30代半ばってこんな感じですかね、とつい考えてしまいました。
最終回は、みんなが正午を必要として追いかけていくのでしょうね。
ふと「あしたの、喜多善男」(2008年・フジテレビ)を思い出してしまいました。
人間的に素敵な大人は、周りが放っておかないということでしょう。
誰かに気にかけてもらえているって、何にも勝る幸せだと思えます。
それにしても、このドラマは堺さんが歌うテーマ曲「忘れもの」がタイミング良く入り、盛り上がります。
歌手の加藤登紀子さんが“歳をとると演歌志向になる”と言っていましたが、今だにその気配が無い私などはこんな昭和の懐かしい匂いがするような歌を聴くとホッとします。
誰かが、水谷豊さんのブーム(「相棒」と「タイム・カプセル」)が無ければ堺さんのブームだったのに、と書いていたのが印象的でした。
切ないけれども、とても気持ちよく観続けられたこのドラマが、来週どんな結末を迎えるのか楽しみです。
「あしたの、喜多善男」の公式サイトをのぞいたら、偶然きょう13日がDVDの発売日とわかりました。
小日向文世さん、松田龍平さんがよかったですね。
これからも二人のいろいろな作品が観られる(松田さんは映画に戻ったかな?)と思うと楽しみです。
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