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宮崎駿のすべて~“ポニョ”密着300日~

プロフェッショナル・仕事の流儀スペシャル
   「宮崎駿のすべて~“ポニョ”密着300日~」

                     NHK総合テレビ 2008年8月5日放送(90分)

崖の上のポニョ―宮崎駿監督作品 (ジス・イズ・アニメーション)

前半の「崖の上のポニョ」制作の過程は早送りをしました。

宮崎監督の半生が紹介されますが、原点に手塚治虫さんの漫画があったことに驚きました。
そのことについては、後述したいと思っています。
病魔と闘い続けた母親に甘えられなかったこと、その母親への思いが監督のどの作品にも強く投影されているようです。
インタビューで“僕と同じぐらい(の年齢)の母親と話せたら面白い”などとも語っています。

友達が、自分が死んだことをわかっていないんではないかと思い、亡くなった病院まで迎えに行ったというエピソード。
変なセレモニーだけれどそのことで気持ちが楽になった、と。
彼が人並みでない繊細な神経の持ち主であることがよくわかりました。

その彼が、生み出していくものについて・・・
“(心の)奥のほうのふたを開けると社会生活上に問題が起こるんですよ。
そういうものが自分たちの中にずうっと伝わっていて、物語を作っている時にヒョイと顔を出すんですよ”

3年間企画が通らなかった不遇の時代について・・・
“挫折しない。人に人生をゆだねない”
そして“作品を仕舞っておく。こんな道、家の中にこんな物が、と見た物などを溜めておく。(そうすることで)良い物(作品)が出来る”

映画を作る意味について・・・
“自分が無用のものとなるなかれ、楽しませられなかったら存在する意味がない”

そんな彼も制作の途中で、イライラしたり声を荒げたりするところを見せています。
仲間の死を知った日も・・・そして、夕焼けを見てつぶやきます。
“死んじゃうと夕焼けは見られないねえ”
思いのこもる、とても綺麗な夕焼けでした。

煮詰まって体調を崩して、お母さんへの思いを語っていましたが、マッサージを受けながらまっくろくろすけの手拭を被っていたのがちょっと微笑ましかったです。

制作も終盤に向かい、最終段階の絵コンテが出来なくて苦悩する場面が続きます。
ラストに向けてもうひとつのヤマを作ること、そこに母親を投影したおばあさんを登場させますが、どのようなシーンにするか・・・。
スケジュールに追い込まれていき悩む宮崎監督について、“自分にも思いつかないようなシーンに逢いたいのだろう”と語る鈴木プロデューサー。
良き理解者であることがわかるコメントでした。
“映画はただの空想から生まれるのではない。すべてはみずからの内なるところにある”
“単純じゃないよ映画っていうのは。どんなに隠蔽して作っても自分が見えてしまうのが映画だから”
自分につぶやくようにして、苦闘を繰り返して完成へと向かっていきます。

決して自分自身にさえ妥協しない、渾身の作品制作・・・。
最後まで産みの苦しみが伝わってきて、観入ってしまった時間でした。
一人で背負っているのものが大き過ぎないでしょうか。
身を削ってこんなに苦労して作り上げたものを知ってしまうと、逆にこちらは楽しんで観れなくなりそうです。
小型カメラでの撮影を許可した300日。
カメラを意識して観ている自分がいて、ちょっと複雑な思いがあります。
ドキュメンタリーって何なのでしょう。

ひとつ気になったこと、番組ナレーター(橋本さとし)の話し方(あくまで話し方)に違和感がありました。
「プロジェクトX」のような語り口で最後まで馴染めませんでした。

手塚さんとの関係について、私の中にこだわりがあります。
宮崎監督は、手塚さんが亡くなった時、唯一(たぶん)批判をした人ということ。
日本人は、人が亡くなった時にはその人をあまり表立って批判はしません。
監督の勇気とか真面目さとかを凄いとは思いながらも、どこかにしこりのようなものが残ってしまいました。

批判の内容のひとつは、テレビアニメの先駆者である手塚さんが制作費を安く請け負ったために後輩に悪影響がいってしまったということ、これは有名な話かもしれません。
その他に作品の姿勢などを語っているのですが、私には難しくて理解出来ませんでした。
ただ、“手塚さんの影響は受けたけれども、自分の中にある手塚色のようなものを削ぎ落としたい”というような語気の鋭さが印象に残っています。

私は漫画が苦手ですし、手塚さんを神のように思っているわけでもありません。
ただ「火の鳥」に感動してファンになったひとりです。
宮崎監督の「となりのトトロ」は大好きですが、この一件がずっと意識としてあって、その他の作品はどこか引いて見てしまっています。
いつか、宮崎アニメを心から楽しめる時が来るのでしょうか。
というか、その前に苦手に思っているアニメや漫画を楽しめないといけませんが・・・。

崖の上のポニョ
サウンドトラック

崖の上のポニョ サウンドトラック
崖の上のポニョ
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スタジオジブリ絵コンテ全集 (16)スタジオジブリ絵コンテ全集 (16)

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