「ジャッジⅡ」最終回 旅人
22日のNHK土曜ドラマ「ジャッジⅡ 島の裁判官奮闘記」最終回“旅人(たびんちゅ)”を観ました。
シリーズを通して思うのは、島の裁判官は本当に細かい仕事が多いのだということ。
それだけに盛りだくさんのエピソードが詰まったシリーズでした。
今回のメインは石橋蓮司さん、最近よく見かけているような気がするのはこちらの歳のせいでしょうか。
母親を弔うために島に戻る途中で災難にあって、自分も罪を犯す役です。
落ち着く先が無く年老いて、故郷にさえ裏切られた気持ちで起こした強盗事件。
その犯罪の様子も律儀で哀しさと絶望感とが伝わってきました。
それにしても、ゆっくり過ぎる島の時間と、あくまでも優しい人々に救われていくことにホッとさせられます。
生活するには厳しくとも、あの美しい景色と温暖な気候だけでも幸せな気がします。
それでも現実には、田中要次さん演じる執行猶予中で又罪を犯してしまうような人がいるわけですが・・・。
“浜下り”の時に、石橋さんが田中さんをそれとなく説得するシーンは良かったですね。
まさに自分を見ている思いがあったということでしょう。
正直、又事件になるのではないかとヒヤヒヤしましたが・・・。
二人には“故郷”に対する不満や反発があっても、結局戻っていく場所、受け入れてくれる場所であることが伝わってくるシーンでした。
“浜下り”で石橋さんが歌いみんなが踊った「与之島小唄」は聴いたことがあります。
与之島が架空の島なら、替え歌でしょうか。
どちらにしても歌詞が中高年への応援歌のようで癒されました。
裁判員制度の模擬裁判で、梅津栄さんが戦後アメリカ軍に占領されていた時の話をしたシーンも印象的でした。
このドラマの島は架空の島のようですが、現実に沖縄は長い間占領されたままでした。
高校野球の選手が甲子園の土を持ち帰れなかったニュースがついこの前のことのような気がするのはやはりこちらの歳のせいでしょうか。
三沢の島での最後の裁判、田中さんへ厳しい判決を下しながらも、いつもと同じ真摯で暖かい訓戒がありました。
それは三沢自身が島で得たものの大きさをも表していたと思います。
三沢(西島秀俊)の次の赴任地が東京と決まりましたが、畑弁護士(浅野温子)は友人の弁護士に誘われた東京行きを断りましたね。
最初、石橋さんに“旅人(たびんちゅ)”と言われてショックを受けていましたが、最後は“島人(しまんちゅ)”と感謝されていました。
ドラマとはいえ、良い選択をしたとこちらも嬉しくなったものです。
ラストは、東京で裁判員とともに裁判を行う三沢の姿があります。
このドラマで、いつも前を見据えて真摯に被告たちに向かう三沢の姿に影響されて、裁判官を志してくれる若者がいてくれたらいいなあ、とちょっと思ってみました。
![]() |
ジャッジ―島の裁判官奮闘記 (角川文庫) 中園 健司 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() by G-Tools |
« 「陽炎の辻2 居眠り磐音 江戸双紙」最終回 旅立ち | トップページ | 「ハゲタカ」の映画化を知って »
「テレビ雑感」カテゴリの記事
- 【闘病日記 61】それでも私はあきらめない(2023.05.10)
- 朝ドラ「あまちゃん」再々放送中(2023.04.08)
- 東日本大震災から12年(2023.03.12)
- 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が終わって(2022.12.19)
- お笑いが好き~サンドさんのドッキリや関根勤選手権について(2022.09.02)