「天地人」第6回 いざ、出陣
「天地人」第6回“いざ、出陣”(8日放送)を観ました。
一番印象的だったのは、戦いで敵が斬られるたびに花の上に倒れていったシーンの繰り返しでした。
“義”を掲げても、結局は殺し合いに過ぎないことを見せつけられた気がします。
前回、上杉謙信(阿部寛)の苦悩を延々と描いたのはこのための前振り(言い訳?)だったようで・・・。
個人的には、ただのチャンバラとして楽しめないとちょっとキツイかな、と思ってしまいました。
「風林火山」の時は楽しめたはずですから、この違いは何なのでしょうね。
そういう見方をすると、兼続(妻夫木聡)の現在をやっと受け入れられるような気がしてきました。
彼の優しさとか弱さとかが出てきて、良かったと思っています。
これまでは意気込みばかりで、それが一人浮いている感じがしていました。
最近、大河ドラマに対する辛口のコメントを読んだことがあります。
その中に、“前回の「篤姫」が高視聴率だったものだから、制作側は「天地人」も同様に未熟な若者が成長していく物語にしている”との意見がありました。
それはこちらの腑に落ちました。
「篤姫」が苦手だったのと、これまでの兼続に違和感があったのはどうもその感覚があったせいのようです。
それが悪いというわけではなく、描き方にこちらが入り込めなかったということですが・・・。
兼続という人物をまったく知らなかったものですから、いずれ山本勘助のような軍師のような立場になる人かと思っていました。
戦いではなく、藩の内政、外交に努めた人なんですね。
今回、直江景綱(宍戸錠)とのシーンでは、その方面に向かいそうな雰囲気でした。
直江景綱と上杉謙信は兼続へ同じような言葉を言いますね。
「もっとおのれを大事にせよ」と・・・。
今回は大きな挫折をしたことになりますが、早く大人になって彼らしい力を発揮できるあたりを見たいと思っています。
といっても、1年の長丁場ですから、これから当然紆余曲折あるのでしょうが・・・。
相変わらず映像の見せ方は印象的でした。
花が倒れるシーンもですが、犬の名から発生した決闘シーンのスポットライトの当て方は舞台劇のようでしたし、初音(長澤まさみ)が現れるシーンも幻想的で面白い映像でした。
ここにきて、やっと上杉景勝(北村一輝)の存在感が出てきましてね。
命乞いをする敵を殺せなかったことを何度も謝る兼続を、穏やな表情で「二度と謝るな。強くなれ」というシーン・・・。
これがラスト、重ねてのトラブルで兼続が国元への退去を命じられた時の「たわけもの!」と・・・。
自分を守ると言いながら、重ねて軽はずみな行為をしてしまったからですかね。
上杉景虎(玉山鉄二)とのシーンから見ると、もっと複雑でしょうが・・・。
トラブルを穏便に計らってくれた上杉景虎に対して反発した景勝は、一瞬北村さんのイメージがそのまま出てきました。
このあたりが今後の争いの種になっていくのでしょうね。
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