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「ありふれた奇跡」第8話

昨日(26日)「ありふれた奇跡」第8話を観ました。

加奈(仲間由紀恵)が本当のことを話して、更にそれぞれの家族が困惑する状態になってしまっていますね。
若い二人のことで、それぞれの家族がまとまってきているのが皮肉にもおかしいです。
翔太(加瀬亮)ら男3人家族が食後テレビを観て笑い、席を立った翔太がため息をごまかして、それを気遣わしそうに眺めている父親(風間杜夫)と祖父(井川比佐志)、というシーンはいいですね。

翔太の母親(キムラ緑子)にまで当然のように加奈の件が伝わっているのもおかしかったです。
父親同士が会うのに、岸部一徳さんがそのまま(卒業したということでしょうが)、風間さんが女装というのも何ともおかしい、その風間さんも前回よりグロテスクになっているし・・・。
まして、お互いをシルヴァーナ・マンガーノ(「ベニスに死す」などに出演)と吉永小百合に例えているし・・・。
家族が混乱しているのに、なぜか笑いどころがいっぱいでした。
さすがに、翔太と神戸(松重豊)の噛み合わないやりとりは無かったですが・・・。

『ありふれた奇跡』オリジナル・サウンドトラック
『ありふれた奇跡』オリジナル・サウンドトラック

翔太の家での祖父と加奈の祖母(八千草薫)とのシーン。
最初は和やかでほのぼのしていて良いなあと思っていたのですが・・・。
祖父が苦労した人生を経て、“翔太の子供は私と女房の生きていた証し”と語るシーンは空気が一変しました。
それを聴く八千草さんが素晴らしかったです。
相手の人生が理解出来て、事態の重さに硬直していく姿が観ているこちらにはっきりと伝わりました。
事実を知って、誤解してひどいことを言ってしまったことを詫びたい一心だった、一番素直な人物ですよね。
余計に事の重大さがはっきり現れてしまったシーンでした。
ラスト、倒れた祖母の病院での、祖父と加奈のシーンも重なっていきますし・・・。

加奈の自分を責め続けている頑なさにちょっと付いていけないかなと思ったこともありましたが、このように周囲の思惑(もちろん愛情を含めて)への閉塞感は辛いなと思いました。
仕事をすることが意外にそれを跳ね除ける力になっているようで、ホッとさせます。

翔太が仕事中に思わず声を出してしまうシーンが結構ありますね。
微笑ましく共感を覚えるのですが、こういう症状は歳を重ねてくるとまず出ないなあとちょっと寂しく感じるものでもあります。

他の方の意見で、“若い二人や家族のあり方が古い。山田太一の古い世界だ”とあったのですが・・・。
それを真剣に観ているこちらも古いということでしょうか。

これまでの感想 第1話 第2話 第3話 第4話 第5話 第6話 第7話

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