「ありふれた奇跡」第10話
昨日(12日)の「ありふれた奇跡」第10話を観ました。
一番気になったのは藤本(陣内孝則)でしたね。
加奈(仲間由紀恵)とは上手くいかない、仕事も無くなった翔太(加瀬亮)を呼び出してキャッチボールをしたり、と確実に前に向き始めていると思っていたのですが・・・。
キャッチボールのシーンは、解放感となぜか懐かしさを感じさせて好きですね。
その藤本が翔太の祖父(井川比佐志)と加奈の父親(岸部一徳)に逢って、その二人の対応は大人と言えば大人なのでしょうが、深く傷ついたであろう藤本がそのまま壊れるのではないかと思ってしまいました。
これまで若い二人と関わりあいながら少しずつ積み上げてきたものが一気に崩れてしまうような・・・。
その後姿を消して、もともとやり手であったとは言え、ちょっとでも成功して戻ってきたシーンには正直違和感がありました。
時間経過はどのようになっているのでしょう。
来週が最終回だし、と思ってもこちらとしては疑心暗鬼の状態でいます。
好きだったのは、今は一緒に住んでいる父親(風間杜夫)と母親(キムラ緑子)を訪ねた翔太との三人のシーン。
夫婦の喧嘩とも漫才とも言えないような会話があって、初めて母親が家を出た事情が語られて(父親の合いの手が入りながらも)、翔太が特に今までと変わりなく二人をそのまま受け入れていますね。
三人で乾杯したりして・・・。
キムラさん、女っぽくてちょっとガサツでオトコマエで素敵です。
それにしても、ケータイ電話は手紙に換わるものになっているんですね。
このドラマでは、理解を深めていく(誤解を解いていく)そして愛情を深めていく重要なアイテムになっているようですが、現実にはどうなのでしょう。
手紙に書くように、丁寧にお互いの想いを伝え合っているのでしょうか。
姿を消した藤本を心配して二人が逢うレストラン?で、従業員の人が客にいちゃもんをつけられるシーンがあって、その細かな描写に感心してしまいました。
かつて加奈がキレたり、翔太と楽しい会話のやりとりをした従業員ですよね。
そこに女装の加奈の父親が現れて、みんなの注目の的になりましたが・・・。
翔太の“綺麗ですよね”には笑いましたが、あのシーンはどんな意味があったのでしょう。
結局、卒業したはずの女装を止められなかったということで、人間は変われないものとして、藤本の状況がますます不安になったものです。
二人は一瞬“今までに見たことがないものに憧れた”というケルト人のようになってしまったようですが・・・。
ラストの赤ちゃんを預けて走り去る女性のシーン。
カメラが彼女を追いかけていく珍しい撮り方でしたね。
そのことで、許されることではないけれど、彼女の想いや事情を考えさせるという時間になっていたような気がします。
それにしても、独特の台詞回しが彼女にもあって、すべてが山田太一さんの世界なのだと改めて感じました。
正直、山田さんの脚本の特徴がいまだによくわからないのですが、登場人物たちが伝えたい思いを懸命に言葉に乗せているという感覚があります。
なかなか耳に慣れなかった台詞回しですが、いつのまにか心地よくなっていましたね。
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