宮藤官九郎展を目指して、けもの道を行く
一月から開催されている「宮藤官九郎展」が、今日(8日)最終日と知ってあわてて出かけてみました。
会場の仙台文学館へは交通が不便ということでこれまでは行ったことがありません。
仙台の市街地より北部の方に、台原森林公園というジョギングや散策のコースがある広い公園があります。
その中を通っていくことは知っていましたが、念のために公園の入り口で道を尋ねてみました。
「公園を行くとけもの道のような道がありますから・・・」と言われ、思わず笑ってしまいました。
「まさか!」という思いで・・・。
でも、本当でした。
まるで山の中へ分け入るように上り下りや曲がりがあり、おまけに足元が湿っていて歩きにくい、そんな道を一人歩くことになりました。
物音が聞こえない、聞こえるのは高くそびえる木が風に揺れる音だけ・・・。
さすがに誰か変な人が出てきたらどうしようと、心細かったものです。
歩くこと20分あまり、何とかたどり着いた仙台文学館は、山の中に静かにたたずんでいるという印象でしたね。
ちなみに、すぐ近くににぎやかな市街地の道路があり、バスを利用すれば近くまで来れます。
*画像をクリックすると、拡大します。
受付で案内された方の部屋に入ったら、どうも雰囲気がおかしい・・・。
クドカンのクの字も無い。
よくよく見たら米原万里展とあり、米原万里展「ロシア語通訳から作家へ」も今日までの催し物でした。
あわてて受付へ戻ったら、反対側が目的の部屋で、「(クドカン展に来る人間には)そうは見えなかったんでしょうね」とつい独り言と苦笑い・・・。
展示品は、当然のことでしたが本や雑誌が多く、台本原稿も活字でした。
あとはパネルや年表、幼い頃の写真とか・・・。
ちょっと自慢の同郷の人間ですが、ここでも小・中学校の(遙か後の)後輩であることを確認出来ました。
この展示会は、監督した映画「少年メリケンサック」の宣伝の意味合いが大きいのでしょうね。
気になるコメントがあるので、メモをしてきました。
ちゃんと受付でメモを取ってよいか聞いてからですが・・・。
さすがに写真を撮ってよいかは聞けませんでしたね。
“最近は愛が薄れたわけではありませんが、子が鎹になりつつあります。
でも人に「子供は?」とか聞かないし、子供のいる生活を賛美する気にはなれません。
人それぞれですからね。” 「俺だって子供だ!」から
“子はかすがい”という言葉は知っていますが、まさか“鎹”と書くとは・・・。
帰宅してから調べて初めて知りました。
漢字のことだけではなく、意外に冷静に見ていたりするんだな、とか感じたのですが、作家でしたね。
しばらく訪ねる機会は無いだろうからと、ついでに常設展も覗いてみました。
土井晩翠や島崎藤村に魯迅、スズキヘキなど偉人と呼べる人たちから、現在活躍中の作家の本や略歴やコメントなど、結構楽しめました。
もちろん、初代館長の井上ひさしさんのコーナーもあります。
それにしても、仙台出身、そうでなくても現在仙台に住んで活躍している作家がこんなにいるなんて驚きでした。
記憶にあるだけでも、伊坂幸太郎さん、瀬名秀明さん、佐伯一麦さん、熊谷達也さん、伊集院静さんなどなど・・・。
仙台が、創作に適している街のようで嬉しくなりました。
歌人の俵万智さんも仙台に住んでいるんですね。
子供さんの幼稚園を考えてのことのようです。
帰りも又、山の中のけもの道。
最初にすれ違った人がまるでボーイスカウトのリーダーのように元気に挨拶をしてくれました。
そうするものかと思ってしまい、次からはその度にぬかるみを避けては挨拶をする状況になり・・・。
これが次から次へとなってしまい、早く公園の一般道に着かないものかと思ったものです。
日曜日ということもあって、三々五々ジョギングやら散策やらと、ホッとする光景も見られた半日でした。
山の中で、新鮮な空気も吸えましたし・・・。
俺だって子供だ! 宮藤 官九郎 by G-Tools |
重力ピエロ (新潮文庫) 伊坂 幸太郎 by G-Tools |
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