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「ありふれた奇跡」最終話

19日の「ありふれた奇跡」最終話を観ました。

赤ちゃんを預けて去ってしまった母親が戻ってきた時・・・。
自分は捨てたのだからと抱くのをためらう母親に、みんなが「捨ててない」と言うシーンにはジーンときました。
そこに藤本(陣内孝則)や警官の権藤(塩見三省)がいたということも大きかったかもしれません。
翔太(加瀬亮)も加奈(仲間由紀恵)も藤本も、それぞれが孤独だと思っていたのに、いつの間にかみんなが集まっているという暖かい空気が、母親に向けての優しさとなっていましたね。

その後ホテルで朝を迎えて、朝焼けを見ながら「俺たち無力じゃなかった」と確認し合うシーンも、若い二人のこれからが始まるのだと思わせて印象的でした。
問題は解決していないけれども、赤ちゃんのことがきっかけにはなりましたね。
赤ちゃんを抱き続けていて加奈が感じたことって大きかったのでしょう。
自分の子であれ、たとえそうでなくても感じることは同じで、意外に藤本が提案した養子のことなども選択肢として有り得るように思えました。

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お互いの母親が初めて会うシーンは、面白かったですね。
翔太の母親役のキムラ緑子さん、良いですね。
加奈の母親(戸田恵子)に「幸せですか?」と聞かれ、「幸せとか、そんなものばっかで生きていないもの、ほっといてよ」って・・・。
二人ともすべてが間逆のようでいて、言いたいことを言って、意外に気が合うかもしれません。
父親同士(岸部一徳風間杜夫)も何かと理由をつけて女装を続けているし・・・。

一番の核は、翔太の祖父(井川比佐志)の演説!でしょう。
散々苦労して生きてきて、世の中のことも人の裏も見えてしまって、頑なになっている自分が良くわかっているのですね。
それが引きこもり状態だった孫から、「用心し過ぎて、怖くて一人ぼっちで、人生広がらないじゃないか」と意見されたことが嬉しかったと・・・。
そして、「どん底じゃない時代に、どん底の用心で生きちゃいけないよね」と、最後は歩み寄ってくれるんですね。

翔太の頼みだったかもしれない、神戸(松重豊)の同居の申し入れを断った祖父の思いを理解出来ても、神戸の受けた傷を心配したのですが、ラスト同居しているようなシーンがあってホッとしました。

「悲しいことには、きっと良いことがついてくる」という加奈の祖母(八千草薫)の言葉も印象的でした。
ドラマの始まりはみんながそれぞれに一人で、ギクシャクしていて、間の空気がなんとも寒々として感じられたものです。
結局、問題は解決していないけれども、みんなが触れ合って言いたいことを言い合って、良い距離感で繋がりましたよね。
「用心なんかするな。心配の種はいくらでもある。数えるな。乗り越えられる」
祖父はそんなことも言っていました。

ドラマですから、最終話ということで落ち着くところに落ち着いたとは思いましたが、藤本のVサインにホッとさせられました。

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