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「ラジオ深夜便」久木綾子さん再び(2)

今朝、何とか4時起きが出来て、「ラジオ深夜便」“こころの時代”で、久木綾子さんの“瑠璃光寺五重塔に魅せられて”第2回の再放送を聴くことが出来ました。

最初の放送の時に、ほとんど何も聴いていなかったことがわかりましたね。

見残しの塔―周防国五重塔縁起」は椎葉の宮大工と若狭の女性たちがそれぞれに流転して山口へ辿り着く話ということで、久木さんはその土地をすべて実際に歩いたそうです。

執筆のために、80歳でパソコン教室に通った時のエピソードが面白かったですね。

高齢者による高齢者のための教室だったようですが、インストラクターに年齢を聞かれ、「教えるのが嫌になるような年齢ですよ」と答えたとのこと。

相手は70歳と書類に書き込んでいたので、「あぁ、教えるのが嫌になる年齢は70歳なのか」と思った、と・・・。

見残しの塔―周防国五重塔縁起
見残しの塔―周防国五重塔縁起

宮大工の仕事の基礎を覚えたくて修業した際には、相手はプロなので容赦することが無く、かなり厳しい修業だったようです。

「怒らないでください」と言ったら、「じれったいんだよ」と言われたとか。

どのエピソードも、あくまで穏やかに、楽しそうに語る言葉が素敵でした。

今回もやはり、お弁当を食べるのが苦手だという話が印象的でした。

取材中の汽車の中では、そばの人への臭いを気遣い、空いている席へ移動して食べていたようです。

そういう心遣いが話の端々に感じられるインタビューでした。

インタビューの最初にインタビュアーが「見残しの塔―周防国五重塔縁起」の冒頭を読み上げましたが、端正な短い文を重ねて、読む人を惹きつけるような文章でしたね。

松竹の大船撮影所で働いていたり、長いこと同人誌に書いていた方のようです。

次回作は、羽黒山の五重塔が舞台とのこと、すでに資料集めや取材も進んでいて、今年中に書き上げたいとのことでした。

静かなエネルギーをもらえた、そんな時間でした。

*以下、資料を集めてみました。

「見残しの塔―周防国五重塔縁起」

周防国五重塔縁起の歴史小説ロマン。
600年前日本中世15世紀のなかばに周防山口に大内文化の象徴となる瑠璃光寺の五重塔が建立された。
この塔を建てるために参集した男女の数奇なる運命。
緻密な時代考証をもとに、構想14年、執筆4年鮮烈の新人がデビュした。

<著者紹介>
久木綾子 1919年・東京生まれ。
旧制高等女学校、専門学校卒。
戦時下、陸軍情報局監理下に置かれた松竹大船撮影所報道部に記者として数年間勤務。
同じ頃、三笠書房社主竹内道之助氏発行の同人誌『霜月会』の同人となり、小説を書き始める。
終戦の年、山口県にて結婚。
平成元年、夫に先立たれ、再び文学に戻る。

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