「リミット 刑事の現場2」最終回“最後の審判”
土曜ドラマ「リミット 刑事の現場2」最終回“最後の審判”
NHK総合 8月8回放送
本当に、久しぶりに最後まで緊張感を持って観られたドラマでした。
それにしても、男たちがよく涙を流し、愛という言葉を叫んでいた回でした。
ここまで全身で愛を叫ばれると、もうただただ圧倒されるばかりでしたね。
加藤役の森山未来さんが、これまでの梅木(武田鉄矢)のお株を奪うように、叫び暴れていました。
叫びながら闘いながら、必死に答えを見つけようとしているように・・・。
クライマックスの、屋上での黒川(ARATA)との格闘シーンも迫力があり過ぎて、とても演技とは思えませんでした。
身体には相当の傷が出来たのではないでしょうか。
われを忘れている加藤と対照的な黒川が、本当に怖かったですね。
人間はこれほどに闇の部分に入り込めるのか、と・・・。
演じるARATAさん、「最後の戦犯」(2008年・NHK)でちょっとだけ観たことがある俳優さんですが、今回その存在感が凄まじかったです。
黒川が梅木の恋人を好きだったことは、観逃していたのか、これまで気がつきませんでした。
茉莉亜(加藤あい)と知り合う墓地で、白い花を持っていたのはお墓参りということだったのですね。
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茉莉亜が監禁場所で、前の恋人を轢き逃げした男との強制的な対面シーン・・・。
彼女がちゃんと踏みとどまれて、相手の痛みを理解出来たことには観ているこちらも救われる思いがありましたね。
それは黒川の敗北になるわけですが・・・。
屋上で、絶望のまま黒川を殺してから自分も死を選ぼうとする梅木。
「人間なんて終わっている。でも俺はあきらめない。憎しみではなく愛を武器に闘っていく。そんな自分を悔しかったら見届けてくれ!」と叫ぶ加藤・・・。
それを受けての、梅木の「ともよ!生きてお前を愛し続ける!」の叫びには泣かされました。
事件が解決したら、梅木も、そして黒川さえも憑き物が落ちたような表情になっているのが印象的でした。
彼らの叫びは、警察官全員に聴こえているんですね。
それを聴いている一人一人が何を思ったか・・・。
やはり彼なりに背負ってきたものがある刑事課長(杉本哲太)、若手キャリアの伊坂(細田よしひこ)など、表情が見えて良かったですね。
あんなに一方的に厳しかった太宰(伊武雅刀)が、愛を叫んだ加藤に「俺はお前のことをバカにしない」とわざわざ声をかけていったのがほのぼのとさせました。
観ている側の気持ちを代弁してくれているような気もしますし・・・。
愛とか叫ばれても、気恥ずかしさや胡散臭さを感じたりする年代ですが、ここまで来ると圧倒されるばかりでした。
退職する梅木に「どれだけ愛しても憎しみに変わりそうで、黒川のようになりそうで、本当は怖い」というのが一番正直な気持ちでしょうね。
梅木は「無駄だとわかっても、愛する方がましだ」と残して去っていきますが・・・。
それにしても、緊張が解けてみると、武田さんのシワをこんなに見るとは、としみじみとしてしまいました。
森山さんもこんなに激しい感情や動きを見せる人だったのか、とイメージが一変しました。
こちらでも「ネジと紙幣」の舞台があるようです。
舞台劇が苦手の私ですが、ちょっと興味が出てきました。
そういえば、「世界の中心で、愛を叫ぶ」(2004年)という映画があったなあ、昔から叫んでいたんだ、とバカなことを考えてしまいましたが・・・。
スマイル 聖夜の奇跡
監督:陣内孝則 主演:森山未来
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