「再生の町」第2回“敵”
土曜ドラマ「再生の町」 第2回 “敵”
NHK総合 9月5日放送
高岡(筒井道隆)が亡き父親の過去と少しずつ向き合っていくのと同時に財政再建の道の難しさが増していきますね。
区画整理ひとつにしても、住民には賛成派と反対派がいて・・・。
それに関わっていくほどに問題の根の深さが現れてくるわけで、高岡が民間会社にいた時とはまったく違う状況なんですね。
大川(石倉三郎)の国保を滞納するほどの状況の中で、ニュータウン計画に希望を持っていたりするエピソードなどもあり、一人一人の事情を考えたら、とても解決方法など考えられないように思えてしまいます。
父親の影を背負いながら、そんな中で奮闘することになる高岡役が筒井さんであることが何となくわかったような気がしています。
これが感情が表に出る熱演型の俳優さんでは、観ているのが辛くなりますね。
筒井さんの茫洋とした雰囲気は貴重な気がします。
ニュータウン計画を一時凍結して、区画整理を推しすすめることを話す高岡に、「俺から何もかも取り上げるのか」と大川・・・。
その大川に「大事な命を守るため」と理想を語る役ですからね。
いろいろな人の痛みを感じながら、改革をしていく覚悟のようなものが見えてきていますが・・・。
高岡に市の職員となった自身の信念を語り、市長の公約に夢を馳せる橋本役の久保山知洋さんは、朝ドラ「だんだん」とは別人のようです。
ほんのワンシーンでしたが、森村(桂吉弥)もちょっと良い話を・・・。
「市長は亡き父親(前市長)の夢を実現させたいに決まってる。跡継いだ息子というのはそういうもんやろ」
自分と市長(吉田栄作)と重ねながら(奥さんに突っ込まれながら)、それは聴いている高岡にも当てはまるわけですね。
高岡は奥さん(牧瀬里穂)からも、自分が田村(南果歩)を“敵”と思ったように、誰かにあなたもそう思われているのでは?と心配されます。
サブタイトルの“敵”とは、自身の思いとは別のところで高岡が市民の敵になってしまうのか、と思ったものですが・・・。
ラストで、議長(近藤正臣)が10年前の改革は間宮(岸部一徳)の裏切りで挫折したこと、今は自分側の人間だ、と高岡に脅しとも見える話をします。
間宮の映像に被せて、高岡の声で“大きな敵が姿を現した”と・・・。
このシーンは、ミスリードですよね。
その間宮は記者(山西惇)とつながりがあり、桂木(段田安則)も不可解な態度を見せていますが・・・。
こうなると、まず内側から変えていかないと、どうしようもないということですね。
内側の事情は別にしても、現実に同じ状況の市町村があるわけで、ドラマとしてはどのような解決方法があるのでしょうか。
興味を持って観ている人たちも多いでしょうね。
それにしても、出演者はNHK好みの俳優さんたちと言えるでしょうか。
朝ドラ、土曜時代劇、土曜ドラマ、とつい最近まで見かけた俳優さんたちがいっぱいです。
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