「再生の町」第4回“責任”
土曜ドラマ「再生の町」 第4回 “責任”
NHK総合 9月19日放送
今回が一番、迫るものがあったように思えます。
映像的にも、緊迫したシーンや不安を感じさせるシーンなどに斜め撮りがありましたし・・・。
これまでは、高岡(筒井道隆)に甘さが感じられて、語る言葉にも説得力が無かったような・・・。
それが市民と直に触れ合い、周りのサポートもあって、父親(中原丈雄)が果たせなかった市の財政再建に本気で立ち上がるようになりますね。
悪しき公務員体質だった最初の頃とはまったく変わりました。
父親の真意、真実の姿を理解出来てきたことが、一番の力なのかもしれませんが・・・。
10年間、高岡の父親を裏切ったことで苦しんできて、家族さえも失った間宮(岸部一徳)の並々ならない覚悟は高岡に引き継がれることになります。
高岡もそれを受け継ぐ覚悟がしっかり出来てきましたね。
二人で市長(吉田栄作)に財政再建試案を提出する直前のシーンはよかったです。
父親のことを理解し、間宮のことを思う大人の言葉でした。
間宮の「親父さんは許してくれるかな」との問いに、「許しを請う必要はありません。間宮さんは父が出来なかったことをやろうとしているんですよ」と答えて、市長室へ入ることを促す高岡がいました。
ニュータウン計画に夢を持っていたのに、現状に気がつき、グループの一員として反対の立場になる橋本(久保山知洋)。
田村(南果歩)とともに、間宮にニュータウン計画の凍結を進言しますね。
そして、割り切っているように介護施設の縮小案を進めながら、ひっそりと認知症の父親(長門裕之)に逢いに行く光野(矢島健一)。
切ない、矢島さんのこういう役を初めて観た気がします。
いつもクールでちょっと嫌な役しか観たことがありませんでしたから、ちょっと嬉しかったですね。
いっそう団結力を増したメンバーの中で、桂木(段田安則)だけがちょっと違って見えていて、その彼が最後の最後に重大な告白をします。
直後に、間宮が倒れてしまいますが・・・。
公約を破ること、父親である前市長が汚職に関連していたことに、苦悩する市長。
その市長をなだめ、恫喝する権藤(近藤正臣)。
彼をも又、脅かすものがあるということ・・・。
財政再建試案がまとまっての、公開部局折衝のシーンでは、これまで高岡たちが出会って来た市民たちの映像が流され、彼らを代表する人たちの切実な声があがります。
そして、産科の廃止などが検討されている中での、森村(桂吉弥)の妊娠中の妻の急変という出来事。
と、畳み掛けるように市の現状が描かれていきます。
その中で、一人とうとうとニュータウン計画推進を謳い上げる権藤の言葉の虚しさ。
いったい、誰がそれを支えることが出来るのでしょう。
倒れた間宮の代わりを自ら務めようとする高岡・・・。
彼の「市民のために」「公務員として」という言葉が、やっとフィットしてきたような回でしたね。
それにしても、筒井さんの歩き方は特徴的で、どの作品でも同じに見えますね。
そこがちょっと気になるところです。
来週が最終回ということで、重く盛り上がった回でしたが、ふと息が抜けたこと・・・。
「相棒」(テレビ朝日)の「暇か?」の角田課長役の山西惇さんが記者役で出演しています。
今回も、高岡に父親や権藤のことを教えてくれて、「ここで立ち止まったらあかん。親父さんと同じ立場にいるんですよ」と・・・。
シリアスで重要な役回りですが、課長のパンダのマグカップを思い出してホッとしています。
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