「外事警察」第3話“囮”
土曜ドラマ「外事警察」第3話“囮”
NHK総合 11月28日放送
協力者となった、下村愛子(石田ゆり子)の動向に釘付けになってしまいました。
協力者になるまで、そしてなった後の彼女の心情が深くて、怖い。
「自己満足と言われたらそうかもしれない。でも、あなたたちに言われる筋合いはないけれどね」というセリフ・・・
つい、そうだそうだ、と思ったものです。
松沢(尾野真千子)の「力になりたいということに嘘は無い」という言葉よりもずっと真実味というか説得力があります。
最初の仕事の後に、住本(渡部篤郎)に吐き出した言葉・・・
「自分が怖い。本当は何もかも投げ出して、この人(植物状態の夫)から逃げ出したいと心のどこかで思っている。私、楽しんでる。この人の介護から解放されて、あなたから命じられた危険な行為を楽しんでいる」。
それを本心に思わせて、最後には夫に話しかけています。
「利用されているわけではない。私があの人たちを利用している」
夫は涙を流していますね。
1回目で情報を得られず、又愛子を使おうとするが松沢が拒否。
協力者を“運営する”と言うんですね。
愛子の場合は、住本による無登録の協力者。
協力しなければ、夫の入院や治療法などすべてを失ってしまう。
直接交渉し、望むならと夫に手をかけようとまでする住本・・・。
何度もフラッシュバックで登場したシーンが長くなって、住本の過去が次第に明らかになってきていますね。
彼も父親に手をかけている、母親のためと思って・・・。
愛子と住本の会話の間、ずっと気になっていました。
たとえ、植物人間になっていても周りの人たちの声が聞こえていると聞いた事があって・・・
実際、最近、20数年間意識の無かった人と意志の疎通が出来るようになったというニュースを観ました。
その患者さんは、看護師たちが噂話などをしているのを聞いていた、と・・・。
松沢にしても、杉本がSOS用として愛子に時計を持たせた時に、助けに行くなど嘘であることを知っていました。
彼女の不安が少しでも和らげば、って優しさでしょうか。
非情に徹し切れないで、かといって辞めるつもりもない。
厳しい言い方をすれば、何だか一番ずるいような気がしたものです。
仕事を終えたと思った協力者のニケが行方不明、家族に危険が迫っているかもしれないとなって・・・
住本が妻(奥貫薫)に「あなたは誰?何者?本当の仕事は?」と言われますが、何とも救いようが無いですね。
そこまでして守るものって何なのかと思いますから・・・。
倉田(遠藤憲一)も松沢にスパイを命じているようですし、官房長官(余貴美子)も初の女性総理の誕生などと上手い話を持ちかけられていたりして・・・
あちらこちらで闇の部分が描かれていて、このドラマはどこへ向かっていくのでしょう。
爆発シーンがあって、松沢が怪我、ほかに1名の女性の遺体があるとなっていましたが、予告編で愛子は元気でしたよね。
誰なんでしょうか。
ハードボイルドものとして見たら、渡部さんは本当に格好いいですよね。
そう考えれば、片岡礼子さんが演じる五十嵐との活躍ももっと観たかったと思っています。
でも、この重たさが日本的と言うことなんでしょうね。
以下、ストーリーは公式サイトより引用です。
『住本(渡部篤郎)の愛子(石田ゆり子)への依頼は、公安の協力者となって外国人バーに潜入しテロ組織の情報を探ることであった。
住本に操られていたことに反発する松沢(尾野真千子)は、愛子に協力者にならないよう薦める。
だが住本は、植物状態の愛子の夫を入院させ、高額な治療を受けられる環境を与える。
調べ上げた情報を元に愛子の心に入ってゆく住本。
夫の回復に希望を見出した愛子は、危険な作業を引き受ける決意をする。』
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