「外事警察」最終話“その男に騙されるな”
土曜ドラマ「外事警察」最終話“その男に騙されるな”
NHK総合 12月19日放送
先週あたりから、テロの正体がアメリカの警備会社・スペード社だということがわかりますが、最後まで息つく暇も無く観入ってしまいました。
テレビが古くて、とにかく画面が暗くて仕方が無かったこともありますが・・・。
五十嵐(片岡礼子)がCIAに情報を売っていたことには驚きました。
仕事に、それにつながる生き方に疑問を感じて去ったはずが、その世界でしか生きられなかったということでしょうか。
松沢(尾野真千子)へは、自分や住本(渡部篤郎)とは違うのだから元の世界へ戻るようにと忠告するのですが・・・。
それを未熟さを指摘されたとしか解釈できない松沢もだんだん外事警察の人間、住本の二代目のように変わっていきますね。
倉田理事官(遠藤憲一)に向かう松沢は、異動してきた時とは完全に違う人間になっています。
その後、所轄の先輩刑事(平岳大)の、元協力者の未亡人を助けるという依頼に乗ってあげたのでしょうか。
囮とした下村愛子(石田ゆり子)を「私の協力者だから、救わなければ」と松沢・・・
撃たれそうな愛子を「かまわない、俺の協力者だから」と言う住本・・・
協力者という言葉が重く耳に残ります。
渡部篤郎を検索
警備局長(石橋凌)、倉田理事官、官房長官(余貴美子)、それぞれの思惑が絡み、最後は優位なかたちでスペード社との取引が終了し、テロ国際会議が開催。
公式的にでっち上げたはずのフィッシュは、五十嵐が残したらしい写真によれば存在したということでしょうか。
このドラマで救いがあるとすれば、愛子の夫が回復するかもしれないことでしょうね。
住本がクレメンテに銃を向けながら言った・・・
「この世に真実なんかどこにも無い。それでも人は何かを信じる。騙されようと裏切られようと、信じぬくことでしか救われないから・・・」
一瞬愛子の表情が写りますが、これは彼女に向けて言った言葉のような気がします。
病院で、「夫が治ると信じているのか」と訊ね、彼女は何も答えないシーンがありましたから・・・。
それにしても、銃を持って向き合っている住本とクレメンテが、それぞれに携帯電話でそれぞれの上司から交渉の結果を知るというのが、何とも今風でちょっと興ざめしました。
最後の最後のシーン、住本が普通の生活に戻れるとは思っていなかったので、衝撃的ではありませんでした。
戻ってきた奥さんの言葉や表情が複雑でしたし、警察を辞めた局長が始めた組織に入ったのか、と思ったりしましたから・・・。
映画「ハゲタカ」(2009年)の劉一華(玉山鉄二)が、鷲津(大森南朋)との闘いに敗れたものの、すっきりした表情で歩きながら暴漢に襲われるシーン、「灰とダイヤモンド」(1958年)の主人公がゴミの山の中、のたうち回りながら死んでいくラストシーン・・・思い出してしまいました。
何だか凄いドラマを観てしまったという感覚があります。
同じエンターテインメントですが、同じ枠でも「ハゲタカ」の方がずっと後味が良かったとつくづく思いますね。
それでも、渡部篤郎さんのインパクトが強くて、つい21日の「火と汐」(TBS)も観てしまいました。
再放送があるようです。
<全6話>一挙アンコール放送〔BShi1月10日(日)12:00~17:30
以下、ストーリーは公式サイトより引用です。
『住本(渡部篤郎)の予想通り、SAT突入は罠であった。
<フィッシュ>はアジトに居らず爆弾も行方不明。
騒ぎはマスコミへリークされ、テロへの恐怖が煽られる。
背後に見え隠れするアメリカの民間警備会社の存在。
ビジネスを目的とし、テロ騒動が捏造された可能性が高まる。
怒りに震える住本は、愛子(石田ゆり子)とともに<フィッシュ>の本当の潜伏先に向かうが、大爆発が起きてしまう。
果たして、爆発は誰が起こしたのか。』
石田ゆり子を検索
尾野真千子を検索
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