「曲げられない女」最終回
「曲げられない女」最終回 日本テレビ 3月17日放送
「曲げられない女」の感想は書いていませんでしたが、ずっと観続けていました。
早紀役の菅野美穂さん、ちょっと風変わりで個性的な役を演じると見事にはまりますね。
下手をすると、“嫌な人”で終るところを、最後まで惹きつけられました。
彼女とトリオ?を組む、永作博美さん(璃子)と谷原章介さん(光輝)も一見軽そうに見えて実は繊細で思いやりがあって・・・
この三人の関係が、観ていて一番心地よかったですね。
損な役回りの塚本高史さん(正登)がリアルなだけに、ドラマ的だなあ、とは思いましたが・・・。
それにしても、早紀の生き方には共感を覚えながらも、どこか苦い思いで観ていましたね。
年をとっても、不器用さとか頑なさとか、人間はそうは変われないと思ってきましたから・・・
ドラマの場合は“人のために”という立派な目標があり、カタルシスを味わえましたけど・・・。
最終回の菅野さんの長ゼリフのシーンは凄かったですね。
陣痛が起きた璃子の背中をさすっているうちに、璃子の非難に対してのセリフの長かったこと。
“シャッターを開けて”一気に爆発させる菅野さん、人間あんなに吐き出せたらどんなにいいかと思ったものです。
痛みに耐えながらそれを聴く立場の永作さんも素晴らしくて・・・
ただ、実際に妊娠しているようなので、ヒヤヒヤしましたが・・・。
R246 STORY ユースケ・サンタマリア 監督作品 「弁当夫婦」
永作さんの非難の中に、「人を幸せにすると言いながら、実際はどうなの?」とありました。
早紀の影響で、光輝が警察のエリートを辞めて、料理の道に進んだことなど、本当に幸せだと言い切れるのか?
病室の外で、早紀の赤ん坊を抱きながらそれを聴いていた谷原さんの表情が不安そうに、心細そうに変わっていくのが印象的でした。
早紀の“開いたシャッター”が一段落したところでの、璃子の「嘘だよ」に、光輝の表情が安堵感でほころんでいきます。
「人を幸せにする嘘しかつかない」と決めた璃子の「嘘だよ」は、光輝を幸せにする嘘だったんでしょうか。
早紀が光輝の幸せを願っていたことは確かなことだし、何が幸せかなんて誰にも断言できないことで、何よりも最後は自分で決めたことでしたね。
10年後、光輝と璃子が結婚していたことには驚きましたが、考えてみればそれも“有り”だったんだなあ、と納得できました。
早紀は11回目で司法試験に合格していたんですね。
正直、子育てで大変でも、(合格できなくても)生活の中に勉強があるという生き方だけでもいいなあ、と思っていました。
みんな10年前と同じで少しも年をとっていなくて、あえてそういう演出にしたんでしょうね。
4人がみんな同じ生活圏内にいるというのが、何ともおかしくて、いい終わり方でした。
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