高峰秀子さんのこと 「ラジオ深夜便」
「ラジオ深夜便」5月6日・午前4時台〔明日へのことば〕
”かあちゃん”は高峰秀子
作家 斎藤明美
高峰秀子さんが今どうしているのか、興味があって聴きました。
高峰さんは現在86歳、女優業を引退したのが55歳ということで、もう30年も公に姿を見せることは無かったんですね。
執筆業も止めたようですし・・・。
現在は、夫の松山善三さん(元脚本家)と、7時に寝て6時に起き、食事を作り、読書三昧の生活を送っているとのことでした。
髪は白くなったけれども、肌がつやつやしていて、自然な歳のとり方をしていると斎藤さんは語っています。
斎藤明美さんは現在、ご夫妻と同居をしているようです。
20数年前、週刊文春の記者だった当時に知り合い、見続けてきた高峰さんのことを熱く語る1時間になっていました。
高峰秀子
高峰秀子自薦十三作/高峰秀子が語る自作解説
高峰さんが、とてもはっきりモノを言う人だということは、女優時代から知られていました。
イエスとノーがはっきりしていて、イエスの場合は責任を持ってやり遂げ、ノーの場合はテコでも動かない人であること。
「怖い人」と言われていたが、見つめられると鎧などを着てきたのが無駄になるように、逆に素になれて楽でいられること、など斎藤さんから語られています。
出会いの頃、電話で1年をかけて執筆依頼をして、「書こうかなあ」という返事の次の日には原稿が届いた話。
数年後の初対面の印象は、小さく自然体なのに大女優のオーラを感じたこと。
緊張して「10年、20年後に逢えるような人と思っていました」と言ったところ「10年後、20年後には死んでいるわよ」と返された話。
凛とした中に、ユーモアがあり、惹句の上手い人でもある、とも語られています。
映画をたずねて<井上ひさし対談集
斎藤さんの母親が亡くなる前の気遣い、そして亡くなった後は何も言わず毎日食事を作ってご馳走してくれたとのこと。
その前後にちょっとした会話にあった“かあちゃん”を高峰さんの方から使うようになり、斎藤さんがそう呼ぶようになったいきさつがあったようです。
そのときのように、口先だけの慰めとかは決して言わない、思っていないことを言わない、単刀直入にモノを言う人であること。
文化人との交流の多い人だったけれども、相手の時間を奪うからと、決して自分の方から電話をしたり、食事に誘ったりしなかったこと。
引退したときには、小さな家に引越し、200以上もあったトロフィーをすべて捨ててしまったこと。
斎藤さんは、“人として見事な人”と語っています。
高峰さんの人間的な魅力をぜひ伝えたい、そんな熱意が感じられるインタビューでした。
よろしかったら、こちらもどうぞ。
斎藤さんが高峰さんのことを書いた本が出版されていて、高峰さんを知らない世代の人たちにも読まれているようです。
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