「鉄の骨」第3回“地下鉄争奪戦”
土曜ドラマ「鉄の骨」第3回“地下鉄争奪戦”
NHK総合 7月17日放送
今回の主役は、何と言っても真屋建設の営業部長・長岡役の志賀廣太郎さんでしょう、と勝手に盛り上がってしまいました。
「ハゲタカ」(2007年・NHK)の中延さんがここでも頑張っている、という感じでしょうか。
「ハゲタカ」では、鷲津(大森南朋)が逆境のときも変わらずに、控えめながらサポートする役でした。
と、どうしても「ハゲタカ」がらみで観てしまいますね。
長岡は、生き残りを賭けて戦う男たちの間で、「理想的だった昔に戻したい」とボスへの立候補・・・
これまでの一谷への裏切りに加担したことを謝りながら、ほとんど火中の栗を拾うような立場へ行くことを決めます。
平太(小池徹平)が、前回落札のトキワ建設に、どこが絡んでいるか調べている途中で、「右か左か、善か悪か、どちらかではない」とつぶやくようにいう言葉があります。
確かに談合が日本の理想的なやり方だったときがあったんでしょうね。
志賀さんの演技に、ほだされるかたちで、しみじみとしてしまいました。
大手ゼネコンの再編成の動きがあり、そのターゲットにされたのが、平太の会社、一谷組。
談合各社の上に立つ山関組の三橋顧問(中村敦夫)そして城山代議士(北村総一朗)らの画策があったための2度の落札失敗・・・
追い込まれた一谷の尾形常務(陣内孝則)が、賭けに出ますね。
グループを脱退すると宣言し、それを逆手にとって次の地下鉄工事の落札者となるわけですが・・・
これまでのいきさつに絡んでいる者、まったく知らなかった者、事情を暴露しながら話を優位に持っていく尾形は凄いですね。
平太も西田(カンニング竹山)も尾形とのコンビネーションが抜群でしたが、途中で、その平太や西田までもを、どこの工区にするかで欺いていたようなシーンがありました。
正面突破のような形なので迫力があり、何より長岡の誠実さを引き出すことになりましたし・・・。
利害関係だから、決して結論は出ないだろうと思っても、とことん話を詰めていって決まるんですね。
談合って、あのようにしてやるんだ、とつい感心してしまいましたが・・・。
単純に、話し合いの中に一谷は3人だし、真屋建設は営業部長だし、けっこう対等では無いんだなあと疑問を持ったりしました。
しだいに仕事にのめり込み、恋人・萌(臼田あさ美)とギクシャクし始めた平太。
ライバル?園田(宅間孝行)が取引がらみで一谷のことに詳しいんですね。
平太の母親(松田美由紀)の上京で、父親の事故死と三橋顧問との因縁もわかってきて・・・
と、皆がつながってしまい、無駄な登場人物がいないのはドラマですからね。
三橋顧問と尾形のシーン・・・
三橋は、「真屋との合併は一谷のためでもあり、尾形のためでもある」と語り、尾形は「自分の出世よりも自分が信じているものを大切にしたい」と・・・
相容れないものを感じ、尾形は三橋と決別していきます。
尾形の仕事に賭ける想いが凄いですね。
社長(笹野高史)にあんなに冷たく突き放されているのに、それは自分の信念とは違うところにあるんでしょうね。
陣内さんが、アップになると、小池さんと同じように涙目になるのが、ちょっと笑えました。
そういうところで息抜きをさせてもらっています。
陣内孝則を検索
地下鉄工事の件の話し合いを終わらせて、長岡の理想に戻りつつあるかと思わせての、ラストの東京地検の真屋建設への強制捜査・・・
状況が一転した長岡の思いを考えるとつい同情したのですが、捜査の先頭に立っていたのが、「ハゲタカ」の野中さん(小市慢太郎)で、つい笑ってしまいました。
「ハゲタカ」では、鷲津に“お金を稼ぐことはいけないことでしょうか?”と切れて言わせるテレビ局の報道マンでした。
と、やっぱり「ハゲタカ」がらみで・・・。
そう言えば、裏で合併話に加担する吉川常務役の矢島健一さんも、鷲津と落札シーンで相対する役でしたね。
ついでに・・・
もう何度目かわからなくなった「ハゲタカ」の再放送と、映画版放送のお知らせです。
ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない 2枚組
小池徹平を検索
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