柴田トヨさん、99歳の詩人 「おはよう日本」
7月25日の「おはよう日本」(NHK)で、99歳の詩人・柴田トヨさんが紹介されていました。
後から知ったのですが、以前ほかのテレビでも紹介されて大きな反響があったようですね。
柴田トヨさん、現在宇都宮で一人暮らし、先月99歳になった方です。
裕福な家に生まれたもののその後家が傾き、奉公などをして苦労を重ねてきたようです。
18年前にご主人を亡くしていて、趣味で詩を書いていた一人息子に勧められ、90歳を越えてから詩を書き始めています。
日々の暮らしの中で感じたことをありのままに詩にし、新聞に投稿をしていたところ、詩人の新川和江さんに見出されました。
新川さんは、
「不安な気持ちでいるお年寄りがたくさんいると思うけれども、生きていて良かったといえる人がいることに驚きを感じ、どういう心情で生きたらそう思えるのかを、彼女の詩に求めるのでは・・・」と語っています。
年をとると、常に身の回りに不安の空気がよどんでいますし、終末をより現実的に感じます。
その分、見える範囲、考える範囲が狭くなってしまって、なかなか柔らかな感性であったり、冷静なものの見方であったり、が出来にくくなってしまいます。
一人暮らしの寂しさの中にも、前向きで、時にはユーモラスに、繊細で柔らかな感性を持って書き綴っている詩からは、柴田さんの人となりがそのまま溢れています。
番組では、針仕事などをしている柴田さんの映像を背景に、たくさんの詩が紹介されました。
柴田さん自身が朗読したものもあります。
どれもこれも、こちらの胸にコトンと入り込んできました。
番組では、柴田さんの詩に救われたという2人の方も紹介されています。
一人は、知らない土地で働くことがストレスになり、休職してしまった若い女性。
もう一人は、半年の間に夫と母親を亡くした60代の女性。
二人とも真面目すぎるくらい真面目な方だということがわかります。
柴田さんの詩から、それぞれに、周囲に素直に甘えていいのだということ、明るく生きることを教えられたと語っています。
私ね 人から
やさしさを貰ったら
心に貯金をしておくの
さびしくなった時は
それを引き出して
元気になる
あなたも 今から
積んでおきなさい
年金より
いいわよ
柴田さんが朗読した「貯金」という詩です。
その優しくて柔らかな感性に、ちょっと笑わせられながら泣かされました。
早速、詩集「くじけないで」を購入しました。
これから大事に読むつもりです。
著者紹介欄に、好きな俳優として水谷豊さん、好きなテレビ番組に「相棒」とあって、ちょっと嬉しかったですね。
こちらに、番組で紹介された詩の一部を載せています。
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