「龍馬伝」第34回“侍、長次郎”
大河ドラマ「龍馬伝」第34回“侍、長次郎”
NHK総合 8月22日放送
今回は、久しぶりに泣けました。
近藤長次郎（大泉洋）の死を選ぶまでの過程が切ないですね。
この回だけで、彼の栄光と挫折を描くのは短いような気がしましたが、逆にしっかり描かれていたようにも感じました。
夢と理想を語るだけで、どこか甘い亀山社中の仲間の中で、彼だけは現実を見つめて働いていたんですよね。
何度も出てきた“私利利欲”・・・決してそのつもりではなかったはずです。
亀山社中のため、日本を守るため、そのために成し得たこと成し得ることに誇りをもっていたでしょうに・・・
自分の考え方が理解されず、やり方を否定され、最後は逃れられない商人の出ということ・・・
それでも、仲間を気遣いながら、侍としての切腹を選んだことが何とも切ないです。
妻子のことを考えたら、もっと無様な生き方でもよかったのではないか、と思ってしまっては史実と違ってしまいますね。
あの日、僕らの命はトイレットペーパーよりも軽かった -カウラ捕虜収容所からの大脱走-
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長次郎の密航のことについて、グラバー（ティム・ウェラード）や小曾根（本田博太郎）が一切話さなかったり、龍馬（福山雅治）が長崎奉行（石橋凌）との対面で堂々と否定をしたり・・・
そして、奉行は納得が出来ないにしても黙って龍馬を見送る・・・その一連のシーンが印象的でした。
これで、それぞれの大人の思いで、少なくとも長次郎の侍としての体面は保たれたわけですからね。
ラストの龍馬とお元（蒼井優）とのシーンで、久しぶりに龍馬に感情移入出来ましたね。
ある意味敵同士、でも共有しているものがある二人・・・
一人が何かを感じて静かに踊り、一人は静かに涙する・・・良いシーンでした。
でも、龍馬は長崎に駆けつけてしまって、長州の件はどうした？という思いは残りましたが・・・。
土佐では、弥太郎（香川照之）が相変わらず後藤象二郎（青木崇高）に振り回されていますね。
このドラマが始まった頃には「岩崎弥太郎伝」になるのでは？と言われたりしたんですが・・・
いつになったら、成功への道を歩く弥太郎になるんでしょうね。
オープニングで、上野彦馬役・テリー伊藤さんの登場に笑ってしまいました。
このシーンから、すでに長次郎の悲劇は始まっていたんですね。
高杉（伊勢谷友介）の配慮で、龍馬のお供をすることになる三吉役・筧利夫さんも初登場。
龍馬に護身用の銃をプレゼントする高杉ですが、長州の戦いを鼓舞しながらも、ふと本音を洩らしますね。
自由に世界を回りたい、と思ったと・・・。
桂（谷原章介）は桂で、藩の様々な意見に苦慮している。
このあたり、ちょっとのシーンですが、それぞれの描かれ方が良いですね。
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登場人物が多いと、ましてそちらにストーリーがあると、どうしても龍馬が狂言回しのようになってしまいます。
でも、今回は、ちゃんとメインにいましたね。
龍馬にとって長次郎の存在がいかに大きなものだったか、素直にその龍馬と一緒に泣けました。
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