「99年の愛~JAPANESE AMERICANS~」第2話“一世と二世”
「99年の愛~JAPANESE AMERICANS~」第2話“一世と二世”
TBS 11月4日放送
相変わらず撮影が素晴らしいですね。
ストーリーとは別に、風景だけで癒されています。
風景だけでも素敵なのに、それをバックにした人のシルエットとか、大きな燃える太陽とか、力が入っていますね。
一挙に18年が過ぎて、長吉役も中井貴一さんに・・・。
あの理不尽な嫌がらせも跳ね除けて、一からやり直して、今の一見して成功した平穏な生活に辿り着いているんですね。
その間の苦労が嫌でも想像させられます。
でも、だから長吉は一家の長としての尊敬を集めてもいるんですね。
中井さんの長吉が、強い意志を持ちながら、とても静かな佇まいを見せているのが印象的でした。
あの草なぎ剛さんがこうなったのか(もちろん長吉のことですが)と、つい感慨深くなりました。
長吉が、一郎(草なぎ剛)としのぶ(仲間由紀恵)との結婚に反対しますが、父親の権威を振りかざすという、ただの頑固な人間になっていないのが良いですね。
中井さんを観ていてしみじみ思ってしまいました。
お父さん(佐田啓二)が交通事故で急死して、(たぶん)何の基礎も出来ていなくて、(失礼ですが)親の名前だけで俳優になったんですよね。
それがこんなふうに、派手ではないですが、ドラマに溶け込む演技が出来る俳優さんになっていたんですね。
なぜか中井さんの映画やドラマをほとんど観る機会がありませんでした。
気になり始めたのは、ドラマ「HERO 特別編」(2006年・フジテレビ)の、町の人格者として尊敬を集めているのにやむを得ず犯罪に関わってしまう、という役からでしたね。
かなり遅かったですが・・・。
今回、もう一人印象的だったのは、次郎役の松山ケンイチさん。
朴訥で農業に熱意があって、時々青森弁が出てきそうな感じがしました。
何より、一郎の恋人・しのぶへの想いを秘めていて、それを出さず、逆に二人の応援をしている姿が何とも切ないですね。
どうしてもセリフの多いドラマの中で、こんなふうに表情や動きだけでこちらに伝わるものがあるという表現方法は難しいでしょうが、感動はあります。
今回、長男・一郎として登場の草なぎさん。
アメリカの状況、家族への想い、しのぶへの想い、など、困難がある中で、内面的な苦悩を見せるシーンが多かったですね。
だからなのか、なぜか、あの道を走る草なぎさんだけが印象に残ってしまいました。
実際に走っていたかどうかは?ですが・・・。
その他のドラマも、なぜか走る姿が印象に残ってしまうんですよね。
決して楽しそうじゃない、苦痛に顔をゆがめたりしているんですが・・・。
島根県の実家のシーンに、加藤虎ノ介さんが出てきて驚きました。
長吉のお兄さんのようですが、老け役でした。
それにしても、あのまさかりは怖かったです。
誇張はあるにしても、当時の日本の地方の状況もあんな感じだったんでしょうね。
それにしても、日本に帰したものの期待とはまるで違って、沖縄と広島に離れ離れになる二人の姉妹のシーンは切なかったですね。
沖縄の海辺を泣きながら歩く妹・さち(川島海荷)のシーンでは、あの綺麗な海は実際にロケに行ったのか、などと余計なことを思ったりして・・・
わざと、そうでもしないでいられないほどに、切ないものがありました。
これからますます辛い展開になるのでしょうに・・・。
遠く離れて、幸せでいると信じるしかないアメリカの家族も辛いですね。
今回、一番感動したのは、長吉がFBIに連行されていくときに、一郎に自分の帽子をかぶせたシーンでした。
後を託す、万感の想いがこもっていましたね。
このシーンがすべてだったような、感動的なシーンでした。
これまでの感想 第1話
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