NHKドラマ10「下流の宴」全8回
NHKドラマ10「下流の宴」全8回
5月31日~7月19日 放送
「下流の宴」には、窪田正孝さんを始め、渡辺いっけいさん、遠藤憲一さん、と何かと注目している俳優さんが出演しているということで、第1回を観ました。
そこで早々に挫折したのですが、不規則にあった昼の再放送をなぜか観る機会があって、結局最後まで観てしまいました。
挫折の理由は、黒木瞳さんが演じる主婦・由美子を中心にした家族に共感を覚えなかったことにつきますね。
それに申し訳ないのですが、黒木さんが苦手ですから・・・。
黒木さん、どんな役を演じても“黒木瞳”を感じてしまいます。
俳優とは、何にでも自在になれる人と何を演じてもその人本人である人、と分かれるような気がします。
どちらにしても、徹しきることで魅力的な俳優になるんでしょうね。
たまたま、こちらが観た黒木さんの作品には同じような黒木さんが登場し、特に今回は煩い人という印象が強すぎました。
黒木さんが演じた主婦は本当に煩かったですね。
家族に対する押し付け(彼女にとっては、愛情)は観ていて引いてしまうばかりでした。
押し付けられる窪田正孝さん演じる息子・翔も、観ていて嫌になりました。
嫌になるということは、窪田さんが上手く演じているということにはなりますが・・・。
娘・可奈の加藤夏希さんとなると、ほとんど問題外だったんですが・・・。
夫・健治の渡辺いっけいさんにかろうじて共感できていたということは、私自身もあんなものだからかな、と苦笑いが出ました。
一般的な家庭をカリカチュアしたということではあるのでしょうが・・・。
うんざりしながら、結局観続けたのは、思いがけず可奈の夫役で眞島秀和さんが登場したせいでしょうね。
眞島さん、これまでのイメージとはまったく違った役でした。
前半はいわゆる勝ち組で、後半はうつ病を患うまでに破綻してしまう役でした。
眞島さんのイメージとして好きな作品は、意外に「海峡」(2007年・NHK)ではなくて、「相棒 season7・第3話“沈黙のカナリア”」(テレビ朝日)の議員秘書役なんです。
もうひとつ・・・
俄然面白さを感じて、楽しみに観るようになったのは、美波さん演じる玉緒が翔と結婚するために医者を目指すと宣言してからです。
そのこと自体は、こちらも現実離れしていると思いましたが、彼女が勉強を始めてからのこと・・・
彼女は翔のためと思って始めたことでも、そこから彼女自身の世界が広がっていく、彼女が自立していく、そんな様子が見えてきたところからですね。
実際、変われない翔と彼女には少しずつ亀裂が生じてきていました。
それを信じたくない彼女に、変わりたくない翔が彼なりの優しさで出した結論は正しかったでしょうね。
美波という女優さんを初めて知りました。
舞台でも活躍しているんですね。
息子は変わらないまま、夫はエリートでは無くなり、娘は子どもを連れて出戻り・・・
でも、そんな家族が揃って、本音の会話をしながらの食事風景がありましたね。
最後の、下流に落ちても元気な由美子のたくましさが、けっこう好きになったりしました。
脇を固めた、受験のカリスマ役・遠藤憲一さん、由美子の母・野際陽子さん、そして玉緒の母・余貴美子さん、それぞれに、個性に奥行きがあって、面白かったですね。
こういう贅沢が出来るので、NHKのドラマは好きです。
« 「スタジオパークからこんにちは」谷原章介さん | トップページ | NHKスペシャル「なでしこジャパン 世界一への道」 »
「テレビ雑感」カテゴリの記事
- 【闘病日記 61】それでも私はあきらめない(2023.05.10)
- 朝ドラ「あまちゃん」再々放送中(2023.04.08)
- 東日本大震災から12年(2023.03.12)
- 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が終わって(2022.12.19)
- お笑いが好き~サンドさんのドッキリや関根勤選手権について(2022.09.02)