「平清盛」第4回“殿上の闇討ち”
大河ドラマ「平清盛」第4回“殿上の闇討ち”
NHK総合 1月29日放送
オープニングが、いつもの源頼朝(岡田将生)登場ではなくて、なぜかホッとしました。
その分、ナレーションには慣れましたが・・・。
流鏑馬や、璋子(檀れい)や堀河局(りょう)たちの歌合せでの的確な意見を言えるなど、文武に優れた佐藤義清(藤木直人)・・・
不遇な立場にある源氏そして父・源為義(小日向文世)に熱い思いをぶつける源義朝(玉木宏)・・・
北面の武士になった清盛(松山ケンイチ)ですが、彼らのような大人の素養も思いも無く・・・という感じですね。
弟・家盛(大東駿介)さえ、小さい頃から気遣いのある子で、その後もしっかり成長しているんですが・・・。
清盛のガサツさとか、無教養さとかはどこまで描かれるのでしょうか。
ただ甘い子供のようで、苦悩する青年という感じがしないですから・・・。
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鳥羽上皇(三上博史)と藤原忠実(國村隼)との、忠盛(中井貴一)を殿上人にしたことでの対立シーンは恐ろしかったですね。
怪物は白河法皇(伊東四朗)だけではなかったわけで、三上さんと國村さんが二人ともに涙目になっているのが又恐ろしいシーンでした。
今回のハイライトは、何と言ってもサブタイトルのとおりの殿上の闇討ちシーンですね。
清盛と義朝が二人でいる時に、その計画が知らされるという、ちょっと都合の良い展開ではありましたが・・・。
それぞれがそれぞれの父親の思いを知るという、素晴らしいシーンだったと思います。
極端に言えば、“出来の良い父と不出来な子”“不出来な父と出来の良い子”という逆な構図でした。
清盛が偉大な父を認識し、義朝も父の苦悩と自分への思いを認識した、という感動的なシーンでしたね。
不遇な源氏の棟梁・為義を演じる小日向文世さん、いつもの笑顔が封印されています。
今回は設定上敵役で、ちょっと損な役回りですが、この闇討ちのシーンでは棟梁としての苦悩の影に義朝への愛情が感じられて良かったですね。
何と言っても素晴らしかったのは、やはり忠盛役の中井貴一さんでした。
“源氏と平氏の勝負は武士が朝廷で力をつけてからでも遅くない”と為義に言い、“王家の犬では終わりたくない”という悲願も告白します。
陰で二人の息子たちは聞いて、それぞれに感動しているわけですが・・・
清盛が、本当にここから大人になってくれると良いんですが、ね。
このシーンで、このドラマはやはり忠盛中心で描いたほうが良かったんではないか、と改めて思ってしまいました。
清盛が、真に忠盛の志を継いでいくというシーンはこれから時間をかけて描かれてはいくのでしょうが・・・。
それにしても、史実では最後の最後に源平の立場が逆転するんだと思うと、よけいに意味深いシーンでしたね。
余談ですが・・・
先日の「ボクらの時代」(フジテレビ)は、小泉今日子さん、飯島直子さん、そしてYOUさんの出演でした。
現在、「最後から二番目の恋」(フジテレビ)で中井さんと共演中の小泉さんから、中井さんの魅力が語られていました。
“ユーモアがある。気遣いがある”とのコメントやエピソードに、他の二人も同感して大いに盛り上がったトークが繰り広げられました。
40代の大人の女性が口をあわせて絶賛する中井さんに、何だか嬉しくなったものです。
中井さんのお父さんが亡くなった佐田啓二さんであることは知られていることですが・・・
若くして急死した佐田さんの奥さんが、幼い二人の子供(姉・中井貴惠)を慎ましく、でも毅然として育てたという話を聞いたことがありました。
“躾”という言葉を久しぶりに連想させられたものです。
佐田啓二さんは典型的な二枚目俳優でしたが、「君の名は」(1953年)のようなメロドラマばかりではなく、小津安二郎監督の作品などにも出演していました。
その息子さんの貴一さんは、正直言えばお父さんほどの二枚目ではないですね。
でも、その分お父さん以上に、年齢的にもいろいろな役を演じられるわけで・・・。
今回のドラマで、お父さんを超えた、と確信できましたね。
今更かも知れませんが、あくまで個人的な感想です。
来週は、阿部サダヲさん(高階通憲役)が出演するようで楽しみです。
どこかでホッとしたいですからね。
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