ジョン・カサヴェテス&ピーター・フォーク「刑事コロンボ」
最近、古本屋で「刑事コロンボ」のDVDがバラ売りされているを見つけました。
放送当時もその後の再放送も繰り返し観ていたので懐かしかったですね。
現在の「相棒」みたいに、何度観ても飽きなかったものです。
記念のつもりで、迷わずに一番気に入っていた“別れのワイン”を手に取ったのですが、ふと目に入ったのが“黒のエチュード”でした。
まさに、呼ばれたという感じでしたね。
ゲストがジョン・カサヴェテスでした。
刑事コロンボ傑作選::パイルD-3の壁/黒のエチュード
刑事コロンボ傑作選::野望の果て/別れのワイン
ジョン・カサヴェテスは、ニューヨークで商業主義的なハリウッドとは違う作品作りをして、多くの映画人から尊敬され、影響を与えた映画監督であり俳優でしたね。
個人的には、正直映画作りの難しい話はわかりませんが、俳優としてはなぜかB級映画に多く出演しているのが印象的でした。
ちょっとハンフリー・ボガートを思わせる風貌でした。
「明日よさらば」(1969年)はワイルドで、「パニック・イン・スタジアム」(1976年・こちらは大作)は黒づくめでクールでしたね。
パニックインスタジアム
ジョン・カサヴェテス 生誕80周年記念 DVD BOX HDリマスター版
監督作品では、奥さんのジーナ・ローランズ主演の「グロリア」(1980年)が大好きでした。
隣の夫婦が殺される事件に巻き込まれ、その子供を連れてニューヨークを逃げ回るグロリア。
ハイヒールに着崩した服(たぶんブランドもの)で街を疾走する様子は最高でした。
片手に子供の手、もう一方の手に拳銃・・・中年女が、仁王立ちになって銃をぶっ放すスタイルが格好良くて、惚れ惚れしたものです。
ラストが感動的ですし・・・。
個人的には、こういう娯楽性の高いものが好きでしたが、もともとはニューヨークスタイルの芸術性の高い作品を作り続け、評価されている映画人でした。
そのカサヴェテスと親交の深かったのが、コロンボ役のピーター・フォークでした。
コロンボ役を長いこと演じていて、はまり過ぎていましたね。
それでも、“コロンボは、実は天使だったのね”と思わせられた瞬間がありました。
「ベルリン・天使の詩」(1987年)では、天使役(格好は人間のまま)で出演しています。
この映画を観て以来、コロンボを観るたびに、“本当は天使なんだよね”と思い出しては楽しんでいる自分がいます。
ベルリン・天使の詩 【デジタルニューマスター版】
ピ-タ-・フォ-ク自伝
こんな二人、ジョン・カサヴェテスは1989年(享年59歳)、ピーター・フォークは2011年(享年83歳)に亡くなっています。
“黒のエチュード”には、スペシャル・ゲストとしてマーナ・ロイも出演していますが、彼女も1993年(享年88歳)に亡くなっていたんですね。
それに、コロンボの声と言えば、何と言っても小池朝雄さん・・・
珍しく吹き替え版で観ていますが、小池さんも1985年(享年54歳)に亡くなっていました。
何だかしみじみしながらDVDを観ています。
それにしても、年月が経っていても、毎回セレブが犯人ということもあって舞台が豪華ですね。
アメリカが豊かさを見せつけていた時代で、背景も含めて、つい観入ってしまいました。
新・刑事コロンボ バリューパック
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