「平清盛」第43回“忠と孝のはざまで”: 疲れたら休め･･･

大河ドラマ「平清盛」第43回“忠と孝のはざまで”
NHK総合 11月4日放送

今回は、父親・清盛（松山ケンイチ）と後白河法皇（松田翔太）との間で苦悩する重盛（窪田正孝）の回でした。
ラストに、サブタイトルどおりの“忠ならんと欲すれば孝ならず、孝ならんと欲すれば忠ならず”という言葉が出てきましたね。
窪田さんの熱演に惹き込まれていたら、この有名な言葉がそのまま出てきて、一瞬引き気味だったのですが･･･。
調べてみたら、そのまま重盛の言葉だったわけで、自分の無知が恥ずかしかったですね。

そのクライマックスのシーン･･･
法皇を拉致するという清盛の命令に従って武装していた一門の人たちですが、それぞれに重盛の言葉に胸を打たれるシーンになりました。
ひとりひとりのアップで、涙ぐむ人などもいたりしましたが、中でも一筋の涙を流した田口浩正さんが演じる平貞能が印象に残りました。
これだけ登場人物が多いと混乱していて、“なぜ彼だけが涙を”と調べてみたら、彼は重盛の側近でしたね。
貞能の父親・家貞（中村梅雀）も忠義の人でしたよね。

つくづく思ったのですが・・・
このドラマが低視聴率すぎて話題になっていますが、個人的にはそれとまったく関係なく楽しめているのは、知る楽しみのひとつとなっているからのようです。
歴史的にもほとんど知らない時代の話ですし、やたら登場人物が多いですから、事前に事後に調べないと追いついていけません。
あくまでドラマですから楽しんでいるのはドラマの部分ですが、ほんの少し歴史に触れていること、それを学習しているような気持ちになれることがいいのかもしれません。

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他にも･･･
映像的にも惹かれています。
今回も、始まってすぐに成親（吉沢悠）が流罪になり餓死するシーンが凝っていましたね。
暗闇、漏れてくる光、そしてセミ･･･
家のテレビが古いので細かいことまで見えなかったのですが、悲惨だけれども、吉沢さんは良いシーンで終わったと思ったものです。
赤い装束の清盛・松山さんの立ち姿を下から撮影したりして、人物の大きさをより表現していますよね。
様式美を感じたりもしています。
ストーリーとは別に、ひとつひとつの映像を楽しんで観ています。

何より、やはり俳優さんたちの演技を観ることが楽しみになっていますね。
今は、どう考えても役より若い俳優さんたちが、アップに耐えて演じています。
清盛の松山さんはもちろん、法皇の松田さん、重盛の窪田さん、と、若手が特に頑張っています。
偉そうに言わせてもらえれば、本当に成長していることが見えて、他人事ながら楽しいですね。

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徳子（二階堂ふみ）に皇子が誕生して、栄華の頂点に立った平家に対して、鎌倉では源氏の棟梁として立ち上がる頼朝（岡田将生）とサポートする政子（杏）･･･
一方では、弁慶（青木崇高）が付き添う遮那王（神木隆之介）も元服して平泉へ、と両方を並行しての映像があり、源氏の勢いを感じさせる展開となってきました。
それにしても、遮那王と母・常盤御前（武井咲）の別れのシーンでは、二人とも実年齢はそう違わないだろうに、俳優って凄いなと思ったものです。
後で調べたら、同じ1993年生まれで、更に驚かされました。

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最近、このドラマのクランクアップのニュース映像を観ました。
重いものを背負わされたまま演じてきた松山さん･･･
最初の頃、視聴率の悪さに落ち込んでいたときに、父・忠盛役の中井貴一さんがアドバイスをした、というニュースを読んだことがあります。
確か“惑わされず、役に取り組むこと”という意味の言葉だったと思いますが･･･。
松山さんの“演じきったことで、大事な作品になった”というようなコメントに万感の思いを感じましたね。
そばで上川隆也さんが、その松山さんを“ずっと見続けてきた”というコメントをしていて、役の盛国そのものだったことを感じて、ジーンときました。

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