「平清盛」第47回“宿命の敗北”: 疲れたら休め･･･

大河ドラマ「平清盛」第47回“宿命の敗北”
NHK総合 12月2日放送

何が何でもと福原遷都にこだわる清盛（松山ケンイチ）は一門の人々の声にも耳を貸さない情況に陥っていますね。
忠実で冷静な盛国（上川隆也）も、困惑した様子を見せていて、孤立した清盛に哀れを感じます。

平家が富士川で水鳥の飛び立つ音を敵襲と勘違いしたというエピソードは有名ですが、総大将は孫の維盛（井之脇海）だったんですね。
その前の頼りない風情から、とても清盛が目指した武士の世の大将には見えませんでした。
清盛が、武士が頂きに立つために為してきたことのうちには、朝廷や公卿との関係に重きを持つことがあったわけですね。
財力を使い、位を得ているうちに、一門はみんな、特に若者は雅な方に流れてしまったということでしょうか。


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同じ“武士の世”を目指していた源氏が息を吹き返してきましたが、もしこの順番が逆（源氏が先に立つ）になっていたら、どうなっていたのだろうと興味が沸いてきました。
その源氏ですが･･･
頼朝（岡田将生）が石橋山の戦いで、敵方の武将・梶原景時（浜田学）に見逃してもらったエピソードも知っていました。
もし、あの時景時が見逃してくれなかったら、歴史は大きく変わっていたのでしょうね。
その変わった歴史を見たかったなあ、とつい無責任に思ってしまいました。
というか、“たら、れば”はどの歴史にも言えるのでしょうが･･･。

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義経（神木隆之介）が奥州から駆けつけて、兄・頼朝と対面するシーンは印象的でした。
頼朝の無表情、無言が長く続きましたね。
その後の展開（兄弟の軋轢）が有名なだけに、重く大きな意味を感じたものです。
あくまで清盛が主役のドラマなので、そこまでは描かれることはないのでしょうが･･･。
それにしても、秀衡（京本政樹）の前で弁慶（青木崇高）の頭上の的を射るシーンは、サービスシーンでしょうね。
大勢の“判官びいき”のための、わかりやすい爽やかなシーンに思えましたけど･･･。


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維盛の軍師役だった忠清（藤本隆宏）が、清盛に最期の前に意見を言うシーンが今回のハイライトでしょうか。
前回の仏御前（木村多江）と同じで、最後の最後に相手を斬れない清盛でしたが、それだけ本人の葛藤も深くて重いのでしょうね。
忠清が覚悟を持って、清盛のこれまでに成した功罪をひとつひとつ挙げていて、何だかこちら視聴者に念押ししているように感じて、重いシーンなのにちょっと笑えました。

今回、一番気になったのは、途中から映像が細かく揺れていたことです。
観ていて少し気持ちが悪くなってしまいました。
最初は、家の古いテレビのせいかと思ったのですが･･･。
維盛が富士川から逃げ帰って、激怒した清盛が殴りつけるシーンからラストまで、でした。
途中、父・忠盛（中井貴一）などの回想シーンが挟まれていましたが、それは特に揺れていませんでした。
意識しての映像処理か、それともカメラマンが変わったのか、わかりませんが･･･。
まさか、あまりの視聴率の悪さに、投げ出したわけではないでしょうね、と嫌な勘繰りをしてしまいました。
すでに撮り終わっているでしょうから、そんなことは無いと信じています。

余談になりますが･･･
ふと思い出したのは、視聴率は低くても評価が高かった土曜ドラマ「ハゲタカ」（2007年）のことです。
再放送するたびに、不具合の部分を修正して観せてくれていました。
音響を低くしたり、退職届の封筒が透けて中身が入っていないとわかったものを入っているようにしたり、携帯電話の番号を蛍光灯の光で消したり･･･
終わったドラマなのに、スタッフのプロ意識とその思い入れを感じて嬉しかったものです。
おかげで、再放送のたびに録画したものをいまだに取っていますが･･･。