「八重の桜」第5回“松陰の遺言”
大河ドラマ「八重の桜」第5回“松陰の遺言”
NHK総合 2月3日放送
今は、主人公の八重(綾瀬はるか)をさて置いて、混乱する時代を描くことに重点を置いている感じですね。
流動する時代背景を丁寧に描くことが、今後の八重の生き方をより鮮明にできるわけで、納得させられています。
前回の「平清盛」が、一般的にはあまり知名度が無かった主人公を、それも青年時代を丁寧に描き過ぎたばかりに、あまり知名度が無い背景の時代が描かれていなかったような気がしてきました。
時代的にデータの量が圧倒的に違うでしょうし、何より同じ失敗をしないようにとの配慮かな、と余計なことを考えてしまいました。
映像もクリアですしね。
元々、大河ドラマは群像劇だと考えればいいわけで、個人的には今の状況は面白いと思っています。
今回の重要シーンとして、吉田松陰(小栗旬)の死と桜田門外の変(井伊直弼=榎本孝明)もきちんと描かれていましたね。
ただ、小栗さんの熱演にもかかわらず、個人的には松陰の主張が良くわかりませんでした。
最後の“八重の桜紀行”で松陰塾などの紹介があり、ちょっとだけわかりましたが・・・。
単純に、開国派と攘夷派との2極にわけるには無理があるようです。
サブタイトルが、歴史的に有名な桜田門外の変ではなく、松陰にしたのは、今後の展開を暗示しているのでしょうか。
覚馬(西島秀俊)たちが立ち上がっていく、というような・・・。
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覚馬が攘夷派の者から襲われるシーンは、なかなかスリリングでした。
八重も尚之助(長谷川博己)も参加して、コンビネーションぴったりの戦いのシーン・・・
物語を離れて、思わず格好いいなあ、と思ってしまったものです。
ただし、夫・覚馬を守ろうとしたうら(長谷川京子)が流産するという悲劇がありましたが・・・。
長谷川京子さんが、八重とは真逆の女性役で、そのたおやかさに観入ってしまいました。
長谷川さんを始めて注目したかもしれません。
お祭りのシーンで、ほんのワンシーンだけなのに、時尾(貫地谷しほり)が山川太蔵(玉山鉄二)に想いを寄せているような表情があって、印象的でした。
大勢の登場人物がいて、時代は大変な変革期を迎えているわけだし、そんなときにも何気ない生活のシーンが出てくるのは、ホッとさせられます。
あのお祭りのシーンは好きです。
たぶん、実際にあった(現在もある?)行事なのでしょうね。
なぜか、韓国映画「風の丘を越えて 西便制」(1994年)を思い出していました。
あちらは、冬枯れの野を延々と、父子3人が歌(パンソリ)に合わせて太鼓を叩き、踊りながら進んでいく、というシーンで、内容も状況もまったく違いますが・・・。
井伊直弼が元水戸浪士に襲われたことで、水戸藩討伐という流れを松平容保(綾野剛)が留めるわけですが・・・。
幕府と水戸藩との調停を務めるようですね。
たしか井伊直弼と容保は親戚同士と言っていたような気がしたので、ちょっと混乱してしまいました。
別に、だから仇を討つべきと言っているわけではありませんが・・・。
それで、調べてみたんですが・・・あるブログに
「井伊家と会津松平家とは婚姻を通じての親戚関係で、親藩・譜代筆頭として徳川幕府を支える“家“と“家“との繋がり。
容保と直弼は共に和親開国を主張した間柄。
水戸系である容保(水戸徳川治保の男系子孫)にとって血縁的に近い水戸の斉昭(攘夷派)とは逆の主張だった。
人の血の繋がりよりも家どうしの繋がり・・・ という事を、ドラマはどうしても強調したかったようだ。」
ますます混乱してしまっています。
でも、だからこそ面白いとも思ってしまいました。
刻々と変化していく時代に、合わせて考え方も流動的になり、当然その都度大きな決断にも迫られるのでしょう。
観ていて、緊迫感がありますね。
今回もまた、歴史の勉強が必要のようです。
と、いつの間にか、苦手な女性ヒロインの大河ドラマのはずなのに、観続ける気になっていました。
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