震災から2年
あの震災から2年が経ちました。
このところテレビも震災関連の番組が多くて、何を観て良いのか・・・。
当時の映像が流れ、キャスターやレポーターの現地からの報告に、有名人が出演してのコメント・・・。
何だか違和感があり、チャンネルをまわしては疲れを感じたりしています。
その中で、やはり自分なりに自然に観ることが出来たのは、昨日(10日)のNHKの番組でした。
コーナーのひとつで、仙台からの「被災地からの声」が津田喜章アナウンサーにより紹介されました。
こちらでは木曜の昼に「被災地からの声」という25分番組があります。
津田さんは自身も被災者ですが、ネット上などでは“怒れるアナウンサー”と呼ばれている人のようです。
なぜ“怒れるアナウンサー”と呼ばれているのか調べてみたら、全国から寄せられる「頑張れ、頑張れ」という声に対し「頑張れない人は(無理して)頑張るな」という怒りのメッセージを発したから[ウィキペディアより]、とのこと。
このエピソードは後から知って、ちょっと驚いたものです。
番組の中の津田さんは物静かで、でも自分の意見ははっきり言うという姿勢を見せています。
番組の内容は、かなりシンプルです。
津田さんやスタッフが被災地を訪ねて、一人一人にスケッチブックに思い思いの言葉を書いてもらい、そのことについて話してもらうだけです。
映像には津田さんがちょっと映るくらいで、スタッフは声だけです。
番組の半ばとラストに津田さんのコメントが入ります。
被災者がカメラに向かって訥々と今の状況や思いを語り、その表情からも語らない思いなどが伝わってくる、それがすべてとも言える番組です。
前向きに明るく頑張っている人、誰かのために何かを成している人、のような、ニュースやワイドショーで取り上げられるような人は少ない印象があります。
復興が見えていない現状に、不安を抱えていたり、途方に暮れていたり、ほんのささやかな幸せだけを願っていたり・・・。
とても身近で、だから心情がよくわかるそんな人たちの言葉を聞く番組です。
ラスト、津田さんの、静かだけれども、難しいことかもしれないけれども、強くて歯切れの良いコメントに救われる思いもします。
何もできない(何もしない)私が、寄り添うことさえできないけれど、せめて耳を傾けることだけでも続けていきたいと思っている番組です。
近くに広大な市の再開発地域があり、10年以上も空き地ばかりでした。
震災後、そこには大規模なスポーツ施設が出来、連られるように次々と大きな建設工事が始まっています。
その一方で、2年も経って、やっと近所ではあちこちで被災家屋の解体工事が行われています。
何となく違和感があります。
そして、再開発地域の一部には仮設住宅があります。
ずらりと並んだ自動車に、ここが生活の場になってしまっていることを感じて、そこを通るたびに複雑な思いをしています。
きょうは1日、祈りの日です。
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