ジョルジュ・ムスタキさんの訃報に
歌手のジョルジュ・ムスタキさんが、23日に亡くなりました。
久しぶりに名前を聞いたら、訃報だったのが悲しいですね。
昔、コンサートに行ったことがあります。
彼の歌は、たった一曲しか知らなかったのですが・・・。
テレビドラマ「バラ色の人生」(1974年・TBS)のテーマ曲「私の孤独」がその一曲でした。
寺尾聰さん主演のドラマは、とても救いが感じられない内容でしたね。
草笛光子さんがアパートの一室で孤独に死んでいくシーンが忘れられません。
ムスタキさんのボソボソと語るような静かな歌は、ドラマにあまりに似合いすぎていました。
ドラマのオープニングシーン&テーマ曲 ↓
Ma Solitude / Georges Moustaki 「バラ色の人生」最終回より
コンサートのムスタキさんは、あの哲学者のような雰囲気がそのままの人でした。
ニコリともしないで、こちらの方が息を飲むようにして、緊張していたような気がします。
司会者や通訳が付いていたかどうか、記憶にないのですが、常に自分のペースで静かに歌っていたという感じでした。
印象的だったのは、二人の女性に挟まれて、ギリシャのダンスを踊ったことです。
映画「その男ゾルバ」(1964年)で、アンソニー・クインが踊ってみせたダンスですね。
両腕を真横に広げ、二人と肩を組むような感じで、静かに踊ってみせました。
ちょっと異空間、異国情緒を感じさせたものです。
コンサートの後は、恒例で、レコード(当時)を集めまくりましたね。
ニュースでは、代表曲「異国の人」を恋の歌と紹介していましたが、あれだけ聴いたのに内容はまったく知りませんでした。
それだけ重たい印象がありましたが、彼の歌は気持ちにフィットすると癒しにもなりました。
絶望的気分をエスカレートさせることも、無かったとも言えませんが・・・。
シャルル・アズナヴール、ジルベール・ベコー、そしてアダモも、シャンソン歌手と言われながら、その枠組みには入りきれないミュージシャンですよね。
ムスタキさんも含めて、みんな祖国はフランスではない人たちということもあってか、背負っているものが伝わる骨太さを感じさせます。
彼らの前に存在した軟派に感じるシャンソンは苦手でしたが、彼らの歌は大好きになりました。
みんな、実際にコンサートに行ったことがあるからかもしれませんが・・・。
久しぶりに、ムスタキさんのレコードを引っ張り出して、聴いてみたくなりました。
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