童話「はらぺこおなべ」(神沢利子著)を読む
図書館で、珍しくも童話本コーナーをウロウロしてみました。
声が出にくいためのリハビリ用に、このところ音読している五味太郎さんの「絵本をよんでみる」(リブロポート)の影響です。
紹介されている「キミちゃんとかっぱのはなし」(神沢利子・作/田畑精一・絵)を中心に探しても探しても見つからず・・・。
諦めたところで目に留まったのが「はらぺこおなべ」(神沢利子・作/渡辺洋二・絵)でした。
童話を読むなど何十年ぶりか、読んだことさえ記憶に無いほどなのですが・・・。
これはもうびっくりでしたね。
自分の中では、童話は残酷な部分は描かないものだ、という思い込みがありました。
今は別に規制も何も無いんだ(もともと無いのかもしれませんが)と思ったら、この本は1970年に発行されていたんですね。
はらぺこおなべのおばあさんが、出会ったものを次から次へと食べていくストーリーに、どこかドキドキしながら入り込んで読んでしまったものです。
子供たちが行ったり来たりしている中で、夢中で読んでいた自分に気がつき、笑えましたが・・・。
「はらぺこおなべ」の内容は・・・
台所で料理をするのに嫌気がさしたおなべばあさんが、今度は自分が食べてやろうと旅に出る。
ソーセージから始まって、めんどりやきゃべつを食べ、川の水を飲みどんどん大きくなっていく。
トマトやじゃがいも、キツネや牛を食べ、更におなべは大きくなってゆく。
飢えはとどまるところを知らず、川から海へ出たおなべは魚を食べ尽くし、とうとうくじらを飲み込んでしまうが、それでも飢えはおさまらない。
食べても食べてもはらぺこで、満腹にならなくて、体はどんどん大きくなるから、またどんどんおなかがすいて、最後は宇宙の彼方に飛んでいってしまう。
つい残酷さに気持ちが行ってしまいましたが、これは大人が読むとかなり深いですよね。
“求不得苦”(求めて得られない苦しみ)という仏教用語を思い出してしまいました。
これをきっかけに、自分の中ではしばらく童話ブームが続きそうです。
キミちゃんとかっぱのはなし [神沢利子]
しあわせなワニくんあべこべの1日 [神沢利子]
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