「八重の桜」第39回“私たちの子ども”
大河ドラマ「八重の桜」第39回“私たちの子ども”
NHK総合 9月29日放送
先週、西郷隆盛(吉川晃司)や佐川官兵衛(中村獅童)、木戸孝允(及川光博)が一気にいなくなって、何となく閑散とした映像になった感じがしたのは私だけでしょうか。
新しい時代に加速した感じに見せて、山川浩(玉山鉄二)と山県有朋(猪野学)、大山巌(反町隆史)の遺恨を秘めた微妙な緊張感が漂うシーンに、そうは簡単にはいかないことを思い知らされますね。
それは、新しい生き方を始めた八重(綾瀬はるか)にも大きく表面化してきました。
会津戦争で父親を殺されたという薩摩の女学生・小松リツ(大後寿々花)の反発・・・。
戦争で傷つくのは敵味方関係が無いのだと改めて思い知らされます。
八重は結核の看病を拒否するリツに、父・権八(松重豊)や弟・三郎(工藤阿須加)の復讐のため、何も疑問を持たずに戦ったことを打ち明けます。
何も疑問を持たなかったから、銃を持って戦えたのだ、と今更ながら納得してしまいました。
あんなに悲劇に向かっていたのに、あの戦いのシーンにこちらが感情移入ができなかったのをずっと気になっていました。
勧善懲悪の時代劇じゃないですからね。
今だから、相手の傷も自分の傷も見つめられる八重になっている、ということでしょうね。
それにしても、戦って得られるものって何でしょう。
八重とリツの関係が修復されて、養生のために帰郷する展開にはホッとさせられました。
サブタイトルの“私たちの子ども”は新島襄(オダギリジョー)の言葉でしたね。
宗教家らしく常に優しくて寛大な襄ですが、芯の強さを見せる八重のサポートがあってのことのようです。
わが若き日 [新島襄]
メゾン・ド・ヒミコ [オダギリジョー]
高嶋政宏さん演じる槇村正直は本当に曲者ですね。
何だか一番目立っている気がしないでもないです。
彼が一枚上なのか、それとも彼の言いなりになったように顧問を辞職して、引き換えに女学校の土地を確保できた覚馬(西島秀俊)が策士なのか。
この二人の関係も緊張感があって面白いですね。
今回、一番素敵だと思ったのは、八重の母・サク(風吹ジュン)が洗礼を受けたいと申し出たことです。
夫や家族を支え、戦争を潜り抜けてきて、その上で、時代が変わった今、洗礼を受けて八重たちの仕事を支えたいという気持ちに感動してしまいました。
リツ役の大後寿々花さん、久しぶりに観ましたが、大人になりましたね。
地味でも、息の長い女優さんになりそうです。
今回から、黄川田将也さんも学生・伊勢時雄役で登場してきました。
みね(三根梓)といい感じになりそうな役ですが、それにしても、画面が何となく若手だけのようになってきましたね。
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