77歳婚活を描く「燦燦ーさんさんー」の外山文治監督33歳
老いを描く映画を特集するということで、初めて「情報まるごと」(NHK総合)を観ました。
最近「くじけないで」(八千草薫・82歳)や「ペコロスの母に会いに行く」(赤木春恵・89歳)と、高齢の女優さんの作品が公開されて話題になっていますね。
この番組で取り上げたのは、吉行和子さん主演の「燦燦ーさんさんー」(11月16日公開)という作品。
内容は、77歳にして婚活をする女性が描かれています。
番組に登場したのは、監督の外山文治さん。
これが長編のデビュー作品とのこと、33歳の若さで、とてもさわやかな印象がある方でした。
終始佇まいがよくて、VTRで出演した吉行さんへの感謝の言葉も、とても気持ちのこもったものに感じられましたね。
吉行さんからは、同年齢の自分(撮影当時77歳)の中にある想いが描かれていて、それを演じられたことが嬉しかったこと、そして今後の活躍を願う、優しいコメントが寄せられました。
紹介された映画の一部には、山本學さんや宝田明さんも出演していて、若い監督さんと作品を作り上げる空気感が伝わってきたものです。
外山監督の短編「此の岸のこと」(2010年)の映像も紹介されて、深く印象に残りました。
衝撃を受けた、と言っていいかもしれません。
老老介護を描いていました。
介護する妻に邪険に扱われたり、下着などの交換をしたり、とよく見られるシーンが続いて・・・
妻の爪を切ろうとしたものの手が震えていてそれが出来ない、薬の袋から薬を取り出すことさえ困難になっている・・・
そのシーンにはショックを受けました。
セリフはまったく無く、ドキュメンタリーと思ったものです。
あまりにリアルすぎて、ネットで調べてみました。
番組内で紹介されたように、モナコ国際映画祭で短編映画部門で最優秀作品賞をはじめ五冠受賞していました。
「此の岸のこと」はドキュメンタリーではありませんでした。
出演者は、さいたまゴールド・シアターの人たち。
さいたまゴールド・シアターは蜷川幸雄さんが主宰する劇団ということはたびたびニュースなどで観て知っていましたが、正直これまでにリアルに演じられる人たちの集まりだとは思っていませんでした。
高齢者の学芸会のようなもの、と考えていた自分が恥ずかしくなりましたね。
今回の「燦燦ーさんさんー」にも大勢出演しているようです。
吉行さんの周りの人たちにほとんど見覚えが無くて、でも達者で不思議だったんですが・・・。
番組の最後で、外山監督はまたシニアの作品を作ると語っています。
若い才能のある監督が、人生の大先輩たちと一緒に、広い視野を持って作品作りに取り組んでいる様子が感じられて、気持ちの良い時間でした。
蜷川幸雄と「さいたまゴールド・シアター」の500日 [橋田欣典]
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