「あさイチ」震災から3年、10代の“心の軌跡”
今日で東日本大震災から3年になります。
「あさイチ」で取り上げたのは、“10代と震災”でした。
正直を言うと、一番苦手なテーマです。
震災ではなく、10代のほうですが・・・。
避難先で孤立感を深めて引きこもるようになったけれども、友人を信じることでカウンセリングを受けながらも登校出来るようになった高校生。
ストレスからか幻覚を見るようになったけれども、状況が少しずつ改善したことで本来の明るさを取り戻した高校生。
そして、3年間何事も率先して取り組み、責任あるリーダー役をこなしてきた高校生が、カウンセラーから“頑張ってきたね。頑張り過ぎないように”と声をかけられて、何かが切れたように涙ぐむ姿がありました。
“何度も死にたいと思った”と本音を語りながら・・・。
その心情を思うと泣けました。
カウンセラーが、その生徒を送り出した後に思わず涙を流していたのにも、こちらは救われる思いがありました。
そして、もうひとり・・・
南三陸町(宮城県)で被災し、“語り部”の運動を続けている女子高校生。
彼女は大好きだった恩師を卒業式前日に亡くしています。
“ありがとう”“大好き”と言えなかったことを後悔していると・・・。
おしゃべりが好きだから語り部になったと、彼女はインタビュー中、あくまで明るく元気に語り続けています。
彼女は、弾けるように、とでも形容できるほどに元気でした。
仮設住宅で暮らす家族の明るさも影響しているのかもしれません。
流された家の跡地で、インタビューする側の女性が涙ぐんでいたのが印象的でした。
彼女は言いました。
“私は同情してほしいわけではない。共感してほしい。共感から他人事ではなく自分の事として考えてほしい”と・・・。
“本当は、泣いたほうがいいんだろうけど”と前置きしながら、言いだした彼女の凛とした強さに、いい年をした自分は感動してしまいました。
この春、大学へ進む彼女は、その後は故郷へ戻ってくるそうです。
“東北の役に立つように、無理やりでも関わっていく”と・・・。
彼女の言動を観ていると、経験したもの、背負ったものの大きさを感じさせて、胸が詰まりました。
と同時に、彼女の未来への姿勢の確かさが羨ましくもあったというのが正直なところです。
彼女を見ていたら、特集ドラマ「ラジオ」(2013年・NHK)の主人公を思い出しました。
*一色伸幸「ラジオ」掲載
被災地・宮城県女川(おながわ)町に実在する「女川さいがいFM」。
「ブログ」と「ラジオ」を経験しながら、自分自身を取り戻していく女子高生と、仲間たちの「心」の復興を描いた物語。
ドラマの感想はこちらで。⇒ 特集ドラマ「ラジオ」 2013.4.4.
話は少し変わりますが・・・
私は被災地(仙台)に住んでいますが、大きな被害はありませんでしたから被災者ではありません。
それでいて、何もしていない何も出来ない後ろめたさとともに、微妙な立場でいることを感じ続けています。
せめて、関連の番組を観ておくべきと思うのですが、当時は何とか観ていた映像を、最近は観るのが辛くなっていることに気がつきました。
特に津波が押し寄せる映像は目を逸らしてしまいます。
当時は、事の大きさに逆に何が起きたのか把握できない状況で、毎日とにかく情報が欲しくて観ていたような気がします。
今は、あの映像の中で大勢の人が亡くなっていた、それを想像するだけでとても平静ではいられません。
当時、映像の編集者がPTSDになったという話を聞いたことがありました。
泣きながら編集作業をしたと・・・。
マスコミが伝えるべきこととして賛否両論あるのでしょうが、あの時はその人のおかげでPTSDにならなかった人が大勢いたのだと思ったりもします。
多くの震災関連番組をどのように選んでみるか、躊躇しています。
どこかに違和感を覚えてしまうので・・・。
毎週「被災地からの声」(NHKローカル)で、ほとんどが名も無く力も無い人たちの声を聴いているせいでしょうか。
被災者の我慢強さに被さっているような復興の遅れ、それを確認させられるだけでは何ともやりきれない思いがします。
そして、星の輝く夜がくる [真山仁]
*東日本大震災から三年の月日をかけ紡ぎ出された希望と祈りの物語。
被災地の小学校を舞台に描かれる「六つの願い」。
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