「おはよう日本」石井裕也監督インタビュー
NHK「おはよう日本」(23日)で、石井裕也監督へのインタビューが放送されました。
好きな映画「舟を編む」の監督と知って、興味を持って観ました。
「舟を編む」で日本アカデミー賞を受賞したことは知っていましたが、30歳という若さだったことに驚かされました。
インタビューへの受け答えをする姿は、朴訥な青年という感じでしたね。
映画作りの信条について聞かれ、“真っ直ぐに見たいなという思いがあります。人とか世界を・・・”と・・・。
それだけで、魅かれるものがありました。
友情とか愛とか、恥ずかしいけれども重要なものはそこにあると思っていて、それを言っても伝わらないので、いかにして描いていくかが映画だと思う、と語っています。
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そして、インタビューの中で、一番魅かれたこと・・・。
創作の原点は“10代の鬱屈”と“チャップリン”にあるという話でした。
ストレスなのか、違和感なのか、怒りなのか、それを吐き出したい思い、そしてだれも信用できないと思った10代の頃・・・。
チャップリンの描く人たち、チャップリンの目線は本当じゃないかと思えた、とのこと。
不意に出てきたチャップリンの話に、私もチャップリンの映画に夢中だったことがあり、懐かしく思い出しました。
もちろん、監督とは世代がまったく違いますが・・・。
チャップリンの偉大さは永遠に語り継がれるものには違いないとしても、現代では何となく印象が薄くなっている感じがありましたから、若い監督の口から出てきて嬉しかったですね。
ピュアだけれども醜さもある、とも語っていて、ちょっと笑ってしまいました。
綺麗ごとだけではなく、結構こ狡かったりして(生きるために)、人間的でしたから・・・。
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来月公開予定の「ぼくたちの家族」が紹介されていました。
母親が末期の脳腫瘍を宣告されたことをきっかけに、家族が互いに見つめ合い、再生されていく話のようです。
監督の長年のテーマは“家族”。
人生も人間も不完全で、それが家族として寄り添うと益々不完全になるけれど、そこから意味とか理屈とかを排除していくと、家族とか人間の素顔が見えてくるのではないか。
それを素敵なことと思えるし、観る人に素敵なことと思ってもらえるのじゃないかと期待している、と語っています。
最後にアナウンサーのコメントですが・・・
監督は格好いい映像とかアクションなどには興味が無くて、一生懸命に生きること、本気で生きることの素晴らしさなど、人間の素顔を見つめる映画を作り続けていきたい、と語っていたそうです。
映画監督って、特に若い監督は、小難しい作品を作るのが常という感覚があったものですから、とても新鮮で気持ちの良いインタビューでした。
ちょっと調べてみたら・・・
映画「川の底からこんにちは」(2009年)でブルーリボン賞監督賞を史上最年少(28歳)で受賞し、主演女優だった満島ひかりさんと結婚していたんですね。
インタビューの印象もですが、何だかフツー(何を持ってそう言えるか、自分でもわかりませんが)な感じがして、良かったですね。
印象的なコメントを別ブログに載せています。
よろしかったら、どうぞ。
⇒ 言葉の味、話の味~人間の素顔を伝える、石井裕也監督「おはよう日本」
川の底からこんにちは [満島ひかり]
エンドロール~伝説の父~ [中村獅童] *石井監督テレビドラマ初作品
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