土曜ドラマ「ロング・グッドバイ」第3回“妹の愛人”
土曜ドラマ「ロング・グッドバイ」第3回“妹の愛人”
NHK総合 5月3日放送
事件の真相がなかなか見えてこない、何だかゆったりしていると感じてしまうのは、他の刑事ドラマの観過ぎなのでしょうね。
テンポ良く、1時間弱で事件を解決しなければならないのが、一般的なパターンですから・・・。
これは、映像や音楽、俳優の演技をゆっくりと楽しむドラマのようです。
増沢役・浅野忠信さんの暗闇に浮かぶ傷のある表情のアップなど、映像処理の格好よさ(もちろん本人も)に魅入ってしまいました。
チリンチリンという電話の呼び出し音や密やかな靴音に惹き込まれて時間が過ぎていきます。
惹き込まれ過ぎて、突然の銃声に驚かされたりしますが・・・。
今回は特に、外光が白っぽく部屋に差し込む(ハレーション?)シーンが多かったですね。
それにしても、ハードボイルドだから?、とにかく殴るシーンが多いですね。
女性であろうと容赦しません。
つい懐かしさを感じてしまうのは、昔はこんな映画が珍しくなかったということでしょうか。
今回は、被害者・志津香(太田莉菜)の姉・世志乃役の冨永愛さんのシーンが多かったですね。
登場人物のほとんどが得体が知れなくて、闇を抱えていそうなので、増沢とのシーンは、そこだけ真実に見えたりしました。
冨永さんのクールな役でも、どこかぎこちなさがある演技に癒しを感じたりしたものです。
冨永さんがアップになると、ついSMAPの草なぎ剛さんの顔がダブってしまうのは私だけかもしれません。
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癒しと言えば、夫の浮気相手を探してもらいに来ている中年女性(石田えり)と増沢のシーンですね。
そこが増沢の日常で、ホッとさせられるシーンであることは、いかに他の登場人物たちに重たい背景があるかということになります。
作家・上井戸役の古田新太さん、どうしても一度は「あまちゃん」の太巻を思い出してはちょっと気を抜いてしまう瞬間があります。
重たい展開になる前ですから、有り難いと言えば有り難いですが・・・。
クールで無口だと思っていた増沢に食って掛かられて、呆然として“そんなにしゃべるんだ。知らなかった”には笑ってしまいました。
上井戸の妻・亜以子役の小雪さんは、この無国籍な空気のドラマで、儚げで色っぽく、どこかにあやうい狂気を秘めていそうな感じがぴったりです。
もともと大柄な人だと思うのですが、それが外国の女優のような存在感があり、華やかさとスケールの大きさを感じますね。
ラストが大物・平蔵役柄本明さんの登場ですが・・・
何よりも、テレビの中の笠置シヅ子さんの歌声と踊りに驚かされました。
怪しさいっぱいの雰囲気が倍増した感じです。
笠置さんを知っていた自分に愕然ともしましたが・・・。
謎解きよりもスタイルを楽しむドラマだということがわかりましたが、やはり内容も知りたいと原作本(レイモンド・チャンドラー)を手に入れました。
新書版ですが、あまりの厚さにちょっとひるんだりしたものです。
コーヒーを入れるシーンひとつとっても長い描写があって、なるほどと思いますが・・・。
外国の作品は、カタカナ名前を覚えるのが苦手ですが、ドラマの出演者を重ねて読むことが出来ているのは幸いでした。
ロング・グッドバイ [レーモンド・チャンドラー] 訳:村上春樹
土曜ドラマ ロング・グッドバイ オリジナル・サウンドトラック ロング・グッドバイ
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