土曜ドラマ「55歳からのハローライフ」第1話“キャンピングカー”
土曜ドラマ「55歳からのハローライフ」第1話“キャンピングカー”
NHK総合 6月14日放送
観終わった後に気持ちの良い印象が残りました。
描かれていることはかなり苦いはずなのですが・・・。
白を基調にした淡い映像処理のせいでしょうね。
音楽も絶えず鳴っていたようなのに、終始抑えた感じがしましたし・・・。
好きなコーヒーを好きなだけ味わう、それをキャンピングカーが叶えてくれる。
主人公(リリー・フランキー)のそんな夢を持っての早期退職。
戸惑う妻(戸田恵子)。
娘(市川実日子)は母親の気持ち、経済的なこと、現実を考えて批判的で、息子は素敵なプランだと単純に賛成。
男性と女性の違いが浮き彫りになりますね。
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意気揚々だったはずなのに、迷いが出てきて、再就職まで考えたものの現実の厳しさを知る、何かが崩れていく様子が淡々と描かれていきます。
正直観ているこちらには簡単に想像できることではありましたが・・・。
自分にとっての何かがあるかもしれないとの甘い考えで、転職を繰り返し、そのたびに状況が悪くなっていく、そんな経験を嫌というほど味わってきましたからね。
主人公は営業職一筋でやってきて、友人(ピエール瀧)に“資格は大きいよ”というけれど、その資格も経験が無ければ役に立たないし、経験を積もうと思えば年齢制限などに引っかかる、と現実はもっと厳しいのです。
友人も子供とカナダに移住するという夢を語りますが、彼の方がその厳しさを知っている気がしますね。
だからこそ、彼の“お前は、裸になるなよ”という言葉が印象に残ります。
絵を描くのが趣味の妻から“自分の時間が無くなるのが困る”と言われますが・・・。
心療内科医(長谷川博己)からもそこを指摘されますね。
“人には人の時間があり、それは勝手にいじれるものではない”
その上で、“それに気づいて受け入れようという気持ちがあるから、一時的に不安定になっているだけで、うつ病ではない”と・・・。
“新しい人間関係を築いていくことは、時間がかかるし勇気がいる”
キャンピングカーの夢はもう少し先にしようと、妻に寄り添いながら語りかける主人公。
ちょっと、ホッとするラストではありました。
長谷川さんが最初の方から謎の男として現れ、幻想的な映像になっています。
リリーさんも淡々とした印象なので、強気の営業をしてきた人には見えなかったし、精神的に不安定になっても、どこかリアルな感じはしなかったですね。
だからこそ、観やすくて良かったとも言えますが・・・。
苦みのある内容も、明るめの映像に演出も演技も終始抑えた感じで、この後の話も同じようなスタイルなのでしょうか。
55歳からのハローライフ[村上龍]
NHK土曜ドラマ 55歳からのハローライフ オリジナルサウンドトラック
逃げる中高年、欲望のない若者たち [村上龍]
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