「相棒season13」第15・16話“鮎川教授最後の授業”
「相棒season13」第15・16話“鮎川教授最後の授業”
テレビ朝日 2月11日・18日放送
“なぜ人を殺してはいけないのか”
深くて重たいテーマが出てきて、惹き込まれて観た前編でした。
さすがに一筋縄ではいかない、観る側にざわつきを感じさせる脚本は、輿水泰弘さんのものでしたね。
少し前まで、“人を殺してみたかった”として殺人を犯した女子大生や、シリアで殺害された日本人の衝撃的なニュースがありました。
女子大生も後藤さんも、こちらの出身者なので、全国ニュースに更にローカルニュースと、連日とてもテレビを正視できませんでしたね。
その後ということで、何とも複雑な思いで観ましたし、この命題に例えドラマでもどんな答えを出してくるのだろう、そう思って後編を待ったものです。
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でも、後編を観たら、ちょっとスケールが小さくしぼまった感がありました。
これだけ難しいテーマを持ち出したのに、結局、右京(水谷豊)や社美彌子(仲間由紀恵)、教え子たちを理不尽に巻き込んで、実の娘・黎子(石野真子)に復讐させるためのきっかけにしたということでしたから・・・。
肩すかしを食ったという感覚がありますね。
ドラマですから、エンターテインメントですから、そう真面目に期待して観るものではない、とは思いますが・・・。
右京たちの恩師・鮎川役の清水紘治さんは、2度目の登場です。
前回は、season2・第1話「ロンドンからの帰還~ベラドンナの赤い罠」・第2話「特命係復活」(2003年)でした。
娘(須藤理彩)との複雑な愛憎が描かれた(こちらは娘の一方的なものでしたが)、かなりインパクトの強い作品ではありましたね。
脚本はやはり輿水さんで、ヒッチコックの「サイコ」(1960年)をそのまま持ってきたようなシーンもありました。
右京に“正当防衛か、殺意があったか”と問い詰められて、殺意があったと認めた黎子ですが・・・。
ラスト、美彌子が右京へ “一種の暗示だったのでは?”と語るシーンは興味深かったですね。
やはり簡単には終わらない、終わらせないドラマです。
弾きがねをひいた瞬間、頭は空白になり、殺意があったかどうかわからなかったが、右京が追及することで気づいた気になっただけではないのか。
憎しみに強迫観念、その後の後悔なども複雑に絡まって、そう認めてしまったのではないか、と私も思いました。
あのシーンで、やはり仲間さんが次の相棒かな、と思ったりしたものです。
及川光博さんの神戸がイメージに重なって、歓迎したくなりましたね。
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