NHK「ドキュメント72時間」“巨大書店 活字の森の歩き方”
「ドキュメント72時間」“巨大書店 活字の森の歩き方”
NHK総合テレビ 1月5日 再放送
(2013年12月20日 本放送)
悩みや不安を少しでも解消したい、迷い定まらない将来を見つけるヒントにしたい。
インターネットなどが普及していなかった時代、 そんな思いで行くのはいつも本屋さんでした。
“本を手にすれば何かが変わるかもしれない。そんな思いが人々の足を本屋に向けさせる”
“確かなものが見えにくい時代、 みんな必死によすがとなるものを探している”
合間にそんなナレーション(仲里依紗)があって、 時代は変わっても変わらないものがあるとしみじみ思わせられました。
この回は、そんな特別な思いで観ていました。
それぞれの思いに共感することが多く、 ほとんど採録していますので、長いです。
場所は、紀伊國屋書店。
<1日目>
1階の新刊コーナーをじっくり眺めて回る年輩の男性。
出版社の販売サポートとして、 新しく出版される本を書店に売り込む業界の大ベテラン、 77歳。
店ごとに違う陳列棚を見て回っている。
「ハリー・ポッター」を売り込んだことがあるが、 そんなヒット商品はめったに見つからないという。
3階のビジネス書コーナー
雑談しながら本を選んでいるカップル、男性の個人的ブームは 「半沢直樹」。
読書家の男友達への誕生日プレゼントに”本返しだ!”
大学からの友人で、一緒に会社をやっている。
選んだのは、ゲーム形式で自己分析ができる本「ドラクエ式自分の強みを知る冒険」(神谷悟)
“真面目で全部背負い込む性格で、 悩んでいるところを見ているので、いい人以外の強み、弱いところを知ってもらって、 そこを埋める努力をしてもらえれば、 さらに成長するのかな。その第一歩になればいいかな” と・・・。
「45歳を過ぎたら「がまん」しないほうがいい」(和田秀樹)
大手企業外務 47歳・男性。
職場と家との往復という単調な生活なので、人生を楽しみたい。
“真面目にこつこつという信条に迷い始めている。 自分の育てられ方を子供に押し付けている。子供は楽しそうじゃない。自分が解放されれば、 接し方も変わって子供も解放されるんじゃないか”
「営業マンは商品を売るな!」(加賀田晃)
保険会社営業 41歳・男性。
“お願いします、お願いします、という営業は通用しない時代”
「働く女性 28歳からの仕事のルール」(田島弓子)
人材派遣業課長 55歳・男性。
“仕事の働く目的、男性でも役に立つのではないか”
「この一瞬を幸せに生きる」(クリストファー・ティットムス)
楽器職人 50歳・男性。
“人間らしく生きるのがなかなか難しくなってくる。 幸せだなと思って生きる核心、手ごたえみたいなもののきっかけになるような本を読んだりする”
<2日目>
開店前にすでに人々が集まっている。
57歳・男性。
高校時代から通っているという本屋さん好き。
“開店時の人の少なさ、入ったときのにおい、映画館で映画が始まる時のワクワク感に似ている”
皿にきれいに並んでいない餃子や、小さなおつまみの写真の料理本を手にとって、わざわざ見せてくれる。
元銀行員 79歳・男性。
読書では無く、たくさん買う「買書」が趣味。
“読むかもしれない。読まないかもしれない。むしろ読まない本を買う。買わない本をながめる、それが趣味”
全国的に本の売上は減少している。
15年で、8000店が閉店。
この店では、毎日入荷した本の3割は返品。
そんな中で、頼もしい人物。
小学4年生 10歳・男性。
東野圭吾の本が好き。
“独特の文章、テンポよく、続きが気になってワクワクする”
学校で暇な時間に読む。
同じ趣味の人はいないらしい。
40枚位で推理小説を書いたことがある。
内容は、校長先生の大事な腕時計の消失事件。
インタビューの途中で、水筒の水を飲むという余裕を見せる。
最後に母親が登場。
“気がついたら自分と同じものを読んでいた”
父親も合流して、仲良く去って行った。
ナレーション“いつの日か、彼の本もここに並ぶかも・・・”
<3日目>
社会科教員 46歳・男性。
売り場に座り込んで、熱心にメモをとっている。
休日返上で、図書館に入れる本でいいのがあるかどうか探している。
“学校という場の中にいても、知的な世界は時間と空間を超えて、遠くまで手を伸ばしてほしい。本はそういう世界の窓口になると思うので・・・”
哲学専攻の女子大生 21歳。
「ウィトゲンシュタイン入門」(永井均)を手に取っている。
今の生き方を決めたのは一冊の本。
高校時代、本屋でたまたま手に取ったのが、いじめをテーマにしている「ヘヴン」(川上未映子)。
小学校時代にいじめられた経験があり、女の子の強さに胸打たれ、自分も強くなりたいと思った。
ウィトゲンシュタイン入門 [永井均]
ヘヴン [川上未映子]
新宗教・精神世界コーナーの男性 44歳。
インタビューをすると、スタッフに向けて“あなたにあったことがある”と・・・。
少年の頃から不思議な世界に惹かれていた。
社会に出て挫折、心と体を壊し、通院しながらリハビリ中。
“一回、昔の価値観が壊れて使えなくなったんですよ。だから、新しい価値観を自分で作らなければしようがない”
スタッフとグータッチして、街中へ消えていった。
<4日目>
失業中の男性 33歳。
本を読み出したのは最近、今までろくな人生を送ってこなかったので、生き方を変えようと・・・。
“懐が厳しく、本を買っている場合じゃないけど、くだらないことに使う前に、以前ギャンブルに失敗したので、飯も食べるけど本も読む。 お金は無いけど、そういう知識だけは豊富にしておこうと思う”
いつかどこかで生きるような気がすると選んだ本は、「誰も知らない名言集」(リリー・フランキー)
増量・誰も知らない名言集イラスト入り [リリー・フランキー]
あなたの大切な“1冊”は何ですか?
○今年いちばん震えた1冊 「火山のふもとで」(松家仁之)~元銀行員 78歳・男性。
○勉学に目覚めた1冊 「学問のすゝめ」(福沢諭吉)~大学生 27歳・男性。
“読んでから勉強して、大学に入ったので・・・”
学問のすゝめ改版 [福沢諭吉]
○無人島に持って行きたい1冊 「ムッシュー・テスト」(ポール・ヴァレリー)~書店員 30歳・女性。
“お薦めはしないですよ、私のものなので(笑)”
○空想好きになった1冊 「ドリトル先生月へゆく」(著者:ヒュー・ロフティング)~アニメ制作者 40歳・男性。
○来年に向けての1冊 「日めくりカレンダー 2014年版」(本放送当時)~無職 85歳・男性。
“これ無いと不便。寂しいを通り越して、もう生きているの嫌だけどさ、仕様が無いじゃん。死ぬわけにはいかねえし、 生きているんだから、毎日はなぁ”
スタッフの“お元気でいてください”に、“ハイハイ”と背中で答えて去っていく。
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