「鶴瓶の家族に乾杯 フィンランド編」からアキ・カウリスマキの世界を・・・
「鶴瓶の家族に乾杯 フィンランド編」(NHK・8月17日放送)をやっと観ました。
最近はほとんど観ることがなかった番組ですが、フィンランドということで、気になって録画していたものです。
フィンランド、そしてヘルシンキと言えば、アキ・カウリスマキ監督の作品のイメージが強いですね。
観ていたのは、「コントラクト・キラー」 (1990年)、「浮き雲」 (1996年)、「過去のない男」 (2002年)だけですが・・・。
どの作品からも、映像から感じるものは、風景も人も何かを削ぎ落としたような(削ぎ落とされたような)印象が強く残っています。
描かれた時代が古かったのかもしれませんが、現代から見れば、余計なものを一切排除したような、どこか寒々としているような・・・。
その中で、苦難に抗いながらも淡々と、夫婦の場合は寄り添いながら、暮らす人々が描かれていました。
当時は、そんな作品に逆に癒されたりしたもので、フィンランドに対するイメージはそのまま固定してしまいましたね。
それが気になっての今回の録画でした。
観終ってみれば、やはり北欧らしい近代的な都市でしたが、自分の印象を常にどこかに探していましたね。
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鶴瓶さんはゲストの松下奈緒さんと教会の前で待ち合わせ・・・。
全体的に緑と雨の印象が強く残る番組になりましたね。
最初から、町のど真ん中に卵型の木の教会や、岩をくり貫いた教会があったり、と珍しい建物も印象的でした。
ライブに並ぶ若者たちやモヒカン風の髪のサラリーマンがいたり、と現代らしい光景ですが、何より鶴瓶さんが彼女たちに自然に溶け込んでいく(いつものことですが)ことに驚かされましたね。
町のあちこちに生誕150周年のシベリウスの看板があり、この人誰?状態の鶴瓶さん。
やっとわかって、もうひとつの看板と交代で現れる動く看板を前にして、タイミングを計りながら(でも、ちょっと合わせにくい)しゃべっているシーンに何ともほのぼのとしたものです。
フィンランドと日本の関わりとしてカラオケやSUSHI(すし)が紹介された映像を観ながら、たしか「過去のない男」では列車の中で主人公がすしを食べるシーンがあったなあ、と思い出したりしました。
鶴瓶さんが会った、自宅まで訪問した中年夫婦や、ヨットで4週間の旅に出る夫婦にはどこか頑なさのような雰囲気を感じたのは、そのイメージを期待したこちらのせいかもしれません。
「浮雲」の疲れてうらぶれて見えた夫婦とはまったく違って、明るく充実した暮らしを感じさせましたが・・・。
それにしても、後日のインタビューのメッセージ “鶴瓶さんは楽しい人。世界中どこに行っても親しまれる人だなと感じた” とは、納得しましたね。
鶴瓶さんの人柄は、どこでも通じるんですね。
朝市では店の人が日本語が上手くて、毒キノコについてのやり取りには笑いました。
なぜ売っている?と思いましたが、3回ゆでれば食べられると言っても、スウェーデンでは違法とか、ちょっと怖いですね。
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松下さんは、郊外のアーティストの村へ・・・。
ペーパーハウスには、おろし金やナイフセットを表紙に飾った本などがあり、中には日本の生地を利用した品も・・・。
経営している紙のアーティスト(女性)が、日本との結びつきが強い人で、さらに最後に会った3人の若い女性の1人が彼女の生徒だという偶然に会います。
3人が、建物の前とはいえ、かなりの雨の中お酒を飲んでいたのにはちょっと驚きではありました。
外国人は日本人ほど濡れることを気にしない、とは聞いていましたが・・・。
番組の最後に、アーティストから松下さんあてに手作りの装丁の本が届きましたが、メッセージも素敵でしたね。
自分が日本を旅して人生が変わったように、これからも世界を旅して、その思い出を白い本に書き込んでもらえたらうれしい、と・・・。
松下さんが、日本人には珍しく?目を見て話をするのが印象的で、好感を抱いたようです。
最初のページ(見返し?)に音符があったのは、彼女が音楽家であることも知っていたようで、映像外でもふれあいがあったのでしょうね。
鶴瓶さんは、日本女性が経営するあんがおいしい店も訪ねています。
番組の最後には、現地に残って開いた落語会の映像も紹介されました。
そう言えば、小林聡美さんが出演した「かもめ食堂」(2006年)も、フィンランドが舞台でした。
やはり、何かを削ぎ落としたような映像や内容で、でもその分、人のぬくもりを感じさせる作品でしたね。
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