映画「BALLAD 名もなき恋のうた」
「BALLAD 名もなき恋のうた」 公開:2009年
監督・脚本・VFX:山崎 貴
原案:アニメ映画「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」(公開:2002年)
撮影:柴崎幸三
音楽:佐藤直紀
出演者:草なぎ剛 新垣結衣 武井 証 夏川結衣 筒井道隆 中村敦夫 大沢たかお
<あらすじ>
時は戦国時代、春日という小国で“鬼の井尻”と恐れられる侍・井尻又兵衛(草なぎ剛)は、国を守り、幼馴染の姫君・廉姫(新垣結衣)をも命懸けで守り続けていた。
ある日の戦いで、無敵の又兵衛に一瞬のスキが生まれてしまい、敵の鉄砲に狙われた瞬間、川上真一(武井証)という少年が突然現われる。
彼は未来から来た少年だった。
珍しく、区図書館の視聴覚室での鑑賞となりました。
いつもは、かなり古くて地味な作品(もちろん良作ぞろい)の上映が多いので、その選択が意外でもあり、新鮮に感じて出かけてみました。
もちろん、俳優としての草なぎさんのファンで、観ていなかった作品だったのが一番の理由ですが・・・。
評判だった原案のアニメ映画「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」は観ていません。
だから、まったくこだわりが無く楽しめましたね。
草なぎさんは、よく憑依型の俳優と言われています。
そこには、素と思われる姿とはまったく違う人間がいるということ。
「任侠ヘルパー」などはそうですよね。
でも、この作品は“草なぎさんだよね”という感覚がしばらく続いてしまいました。
侍としての矜持を持ち、それでいて子供相手にむきになったり、姫相手に不器用だったり・・・。
想像できる(あくまで、想像)草なぎさん本人とかけ離れていなかったせいかもしれません。
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さすがに、後半の合戦のシーンでは、その感覚はありませんでしたね。
城や姫を守るために命を賭けて戦う姿には引き込まれてしまいました。
個人的には、戦いのシーン(特に尖ったものでの戦い)が苦手なので、いつも目をそらしてしまうんですが・・・。
VFXを駆使した山崎監督の力もあるのでしょう。
技術的なことに詳しくないのですが、自然で迫力のある映像になっていましたね。
どちらかというと、最先端の技術を駆使した作品は苦手で腰が引けてしまうのですが、これは自然で楽しめました。
大沢たかおさんが敵役(大名・高虎)というのも面白かったです。
役的にも演者としても、画面の中に対等の人が存在するというのは、作品に厚みを感じさせますね。
どんなに背景が立派でも、そこに人がいないとね、と思ったりしたものです。
大沢さん、余裕ですかね、演じるのが楽しそうに感じました。
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廉姫役の新垣結衣さん、たおやかで、それでいて凛としていて素敵でした。
今、ドラマ「掟上今日子の備忘録」(日本テレビ)を楽しく観ています。
女優として色が出過ぎない感じがいいですね。
相手役の岡田将生さんもですが、決して観ている側に押し付けない、無理をしていない感じに好感が持てます。
一番のお気に入りは、真一の父親役で筒井道隆さんが出演していたことかもしれません。
どんな役を演じても、どんなに歳を重ねても、筒井さんは筒井さん、というのがおかしくもあり、ホッともします。
真一一家の力もあって、戦いに奇跡的に勝利し、又兵衛と廉姫の恋もハッピーエンドかと思った瞬間の悲劇には驚かされました。
何とも切なかったですね。
ただ、真一の登場で又兵衛がここまで生かされたこと、想いを成し遂げられたことは良かったとは思います。
その後の廉姫が毅然としていられたのも、その時間があったからだと思えると、ちょっとホッとしますね。
廉姫の父親(中村敦夫)が、未来には国も敵国も歴史として残っていないことを知って、廉姫を高虎に嫁がせずに戦うことを決めたシーンが印象的でしたね。
観終わって、というか、合戦のシーンを観ながら、“こういう人たちの生き方があって、今の時代、そして私たちがあるのか”としみじみ思ってしまいました。
図書館の視聴覚室のスクリーンは、テレビよりは大きいけれども、当たり前ですが映画館よりは小さかったです。
それでも、暗闇の中、大音量(結構大きかったです)で、人の気配を感じながら観るのはいいものですね。
しばらくご無沙汰していますが、やはり映画は映画館で、と当たり前に思ってしまいました。
それに、まずは「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」をレンタルしてでも観てみようかと思いましたね。
アニメは苦手なんですが・・・。
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