東日本大震災から5年
東日本大震災から5年が経ちました。
こちら仙台ですが、朝から穏やかな陽射しになっています。
姉妹や親戚の安否がわからないまま、黙々と後片付けや洗濯をしていた当時を思い出させる陽射しです。
照る日曇る日、寒い日もあったはずなのに、思い出すのはなぜか暖かい陽射しなのです。
5年という節目ということもあってか、テレビでの関連放送がいつもより多い気がします。
この時期ばかりとなっても、風化を食い止めるために、それに改めて立ち止まって考えるきっかけとしては大切なことでしょうね。
こちらでは、震災関連のニュースが途絶えることがありませんので、風化は有り得ない状況にあります。
特に、毎週木曜日の昼に放送されている「被災地からの声」(NHK)は貴重な番組ですね。
被災者がそれぞれの状況や思いをフリップに書き、そしてカメラに向かって語る、それだけなのですが、その表情からは語られない思いも見えたり、観る側が静かに受け止め考えられる、そんな番組です。
当時は“怒れるアナウンサー”と呼ばれた津田喜章アナウンサーが、静かに解説をしてくれてもいます。
時間が経過すると、登場する人たちの状況も考え方も、そして表情も変わってきました。
それぞれの状況において、前へ進む人、あきらめる人、迷い続ける人、はっきりと分かれてきているような気がします。
5年という月日が経ってしまったことを改めて実感させられます。
昨日(10日)の「被災地からの声」放送で、特に印象的だった人たちがいます。
気仙沼市唐桑(宮城県)に移住した20代の女性5人。
それぞれに、全国からボランティアで唐桑に来て、その後移住し、就職もしています。
地域の人たちみんなが家族のようなコミュニティーが好き、と・・・。
津田アナウンサーの “普通の女の子のように、遊びたいとか買い物したいとか思いませんか?” との問いに、“仙台や東京に遊びに行っているし、旅行などもしています。でも、暮らすのはここがいい” と笑っていました。
そこに至るまでクリアしなければならない問題や悩みはあったと想像できます。
でも、その軽やかな、少し肩の力を抜いた姿勢が素敵に思えました。
同じようにボランティアから移住し、その地のために何が出来るかと一生懸命に取り組んでいる人たちもたくさんいます。
それは素晴らしいことに間違いは無く、何もしない私などは頭が下がりっぱなしです。
ただ、彼女たちのようなかたちの移住者が自然に増えていったら、新しい町づくりの一端になるのではないかと思えたものです。
被災地にいて、それほど大きな被害も受けなかった者として、これまで複雑な思いで過ごしてきました。
大きな被害が無かったことの幸せと、逆にそのことの後ろめたさのような気持ちが、いまだにあります。
持病や年齢のせいにして、何もできない、何もしてこなかった自分としては、せめてこの番組を観続けたいとは思っています。
この番組が無くなるときが、本当の復興の完成なのだと思っていますし・・・。
震災のニュースが取り上げられたときにいつも思うこと。
岩手・宮城・福島以外の県、広島の土砂災害や関東・東北豪雨など、その他の被害にあわれた人たちはどう感じているだろうということです。
規模は違っても、それぞれが失ったものは同じに違いありませんから、どこかで申し訳ない気持ちが沸いてきます。
災害が多すぎて、月一回のお参りに、願い祈る時間が長くなります。
後ろで待つ人が気になりますしね。
今朝の「ラジオ深夜便」では、仙台在住の小説家・熊谷達也氏の “被災地を書くということ” と題する講演が放送されました。
“この国は災害が多いということを改めて感じた。被災していた人たちと、まだ被災していない人たちがいる。被災していない人たちは心して過ごしてほしい”
半分眠っていた頭の中に、この部分が印象に残りました。
その後に流れたのが、ジョー・バルビエリというイタリアのシンガーソングライターの歌でした。
被災した日本のために、日本語で歌った「見上げてごらん夜の星を」。
初めて知ったシンガーの初めての歌声、優しくふるえるような歌声に、着替えもせずに立ちつくしていました。
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地震に関する個人的な報告です。 2011.3.13.
震災から2年 2013.3.11.
「あさイチ」震災から3年、10代の“心の軌跡” 2014.3.11.
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