NHK木曜時代劇「ちかえもん」
NHK木曜時代劇「ちかえもん」が、先週3日に終わってしまいました。
何と言うか、楽しかった、の一言につきますね。
丁寧に、本格的に作っているのに、感じられる何とも言えない軽み。
適材適所に配置された俳優さんたちの余裕。
理屈抜きに楽しめるドラマでした。
ちかえもんを演じる松尾スズキさん、これまではちょっと苦手な方でした。
朝ドラ「あまちゃん」(2013年)の喫茶店のマスター役は除いてですが・・・。
監督作品の「恋の門」(2004年)はDVDを何度か観てみたのですが、結局途中で挫折したまま諦めてしまいました。
このドラマは、時代劇ということもあってですが、まるで別人に感じましたね。
何しろ、自分のモノローグに合わせて演技をしたり、いざというところで替え歌(それもある程度の年代の人にわかるヒット曲)を歌ったり・・・。
演劇や演技の何たるかを知らないこちらには、「あまちゃん」の役に通じる気がして、大いに楽しめたものです。
それにしても、あの歌の数々、涙ものでしたね。
長いスランプの、その中でも落ち込んでいるときなどに歌われて・・・。
泣ける歌でありながら、笑いを呼ぶ歌でもありました。
正直、全8回のうち、真ん中あたりで気持ちが離れかけたことがありました。
「曽根崎心中」が本格的に、かなりシリアスに始まりそうな感じがした頃ですね。
ですから、最終回はドキドキものでした。
やっぱり史実から離れられなかったか、と思ってがっくりした後のあの展開・・・。
二人は生きていて、ちかえもんのふるさと・越前で猟師をしている。
ちかえもん以外の人たちが一致団結して計らったこと。
あれだけ確執があった、徳兵衛(小池徹平)の父親(岸辺一徳)までもが参加しているんですよね。
一気に盛り上がって喜んでいたら、万吉(青木崇高)が消えてしまうという、何とも寂しいことになりました。
万吉は、ちかえもんの人形がかたちを変えて現れてきたらしい。
どれもこれも、長いスランプのちかえもんを立ちなおさせるためだった、というオチでしたね。
寂しいけれど、楽しい。
こんなふうに、気持ちを委ねて観られたドラマって、久しぶりでしたね。
スタッフと出演者に感謝です。
俳優さんたちはみなさん、ハマリ役でした。
岸部さんなど、もう納得するしかない、という感じでしたね。
特に印象的だったのは、竹本義太夫役の北村有起哉さんの語り(と言うんですか?)で、素人考えですが、大変だったんだろうなあ、と・・・。
そして、ケレン味たっぷりに悪役を演じた山崎銀之丞さんは楽しそうでしたね。
朝ドラ「あさが来た」とはまったく違ってました。
女優陣では、女将役の高岡早紀さんの色っぽさが自然でよかったです。
優香さんは、ちかえもんを温かく見守る遊女役で、そのあくまで優しい雰囲気に、改めて女優さんだったんだなあ、と思ったものです。
もちろん「花燃ゆ」での活躍を知っていましたが・・・。
脚本が、藤本有紀さん。
朝ドラ「ちりとてちん」(2007、8年)が大好きだったので、彼女の名前だけで観始めたドラマでした。
良いものを観たなあ、そんな余韻が続いています。
« 「スペシャリスト」第8話 | トップページ | 大河ドラマ「真田丸」第9回“駆引” »
「 作品タイトル~た行」カテゴリの記事
- 朝ドラ「虎に翼」鑑賞中(2024.05.29)
- NHK「ドキュメント72時間 年末スペシャル2019」(2020.02.05)
- 「ドキュメント72時間 2018 年末スペシャル」(2019.01.09)
- NHK「朝まで!ドキュメント72時間 2017」(2018.02.01)
- 「朝まで!ドキュメント72時間 2016」(2017.01.15)
「テレビ雑感」カテゴリの記事
- ドラマ「マウンテンドクター」(第1回)を観て(2024.07.11)
- 朝ドラ「虎に翼」鑑賞中(2024.05.29)
- 朝ドラ「ブギウギ」が終わって(2024.03.30)
- NHK「ふたりのディスタンス ピース 綾部祐二と又吉直樹」を観て(2023.12.28)
- 朝ドラ「ブギウギ」に感動中!(2023.12.07)