「人生デザイン U-29スペシャル」松坂桃季さん新潟へ
先日、「人生デザイン U-29スペシャル」(NHK・Eテレ)の再放送を観ました。
タイトルどおりに29歳くらいの人たちが対象らしく、番組自体を知ってはいましたが、観るのは初めてです。
いつもはナレーションを担当する俳優の松坂桃季さんが、新潟の古い映画館を訪ねるというコンセプトに興味を持っての鑑賞でした。
松坂さんは、昨年放送された、高田世界館(上越市)の支配人・上野さん(28歳)を訪ねていきます。
2年前に映画館を任されたものの、悪戦苦闘し悩む姿に、同じ映画好きとして強く印象に残ってしまったから、と・・・。
雪降る中に見える築105年の映画館は、西洋風な外観で奥まった場所にあり、後のインタビューで小学生が語った秘密基地のような所でした。
小声での初対面の挨拶は、壁の薄い上映中の館内を考えてのこと。
昨年は一人で掃除からポスター貼りまでやっていた上野さん。
今は、放送のおかげでボランティアの力を借りています。
館内は、かつては芝居小屋でもあったという、2階席がある珍しい造りになっています。
映画館独特の匂いに惹かれる松坂さん、“映画館好き” を告白しています。
印象的な赤いレザーの椅子は、9年前に老朽化で存続の危機があったときに、地元の人たちの募金で作られたもの。
椅子の背にはネームプレートがあり、協力してくれた人たちの名前が刻んであります。
中には、本木雅弘さんや遠藤憲一さんの名前も・・・。
遠藤憲一さんといえば、今大河ドラマ「真田丸」で上杉景勝役ですね。
その縁で?と、つい想像してしまいました。
放送以来、全国から訪ねてきてくれてはいても、この時の客は松坂さんを含めて3人。
上映作品は、イタリア映画「カプチーノはお熱いうちに」(フェルザン・オズベテク監督)。
上野さんのチョイスを玄人系、キネ旬系と評し、それで良いと語る松坂さん。
それに対して、“そう言われると苦しい。都会と違うので、気軽に立ち寄れる映画館でありたい”と・・・。
“映画を観ることが、生活の一部になってほしい”
この一言は、こちらの胸にも響きました。
番組の後半では、松坂さんがカメラを持って再度新潟を訪ね、街中や学校で高田世界館についてインタビューをして、その映像を上野さんに観てもらいます。
高田世界館のことを知ってほしい、そんな松坂さんの願いがこもった映像です。
映画好き、映画館好きの松坂さんの気持ちが上野さんと繋がっていました。
“人の血が通う映画館になればいいな。高田世界館はこの場所でなければ、といってもらえるようになりたい”
最後に、上野さんがそう語ります。
ここからは、個人語りです。
映画館の情景を見て、久しぶりに涙が流れました。
昔、親兄弟は親戚が経営する映画館で働いていました。
私だけが子どもで、小学校から帰ると館内で遊んでいたものです。
松坂さんが感じた映画館の匂いよりも、もっともっと土臭い匂いを思い出しました。
これ以上、思い出を語ると引かれてしまうので、ひとつだけ・・・。
体の弱かった父の代わりに売店の店番をしたことがよくありました。
売っているものが限られているので、小学生でも出来たのです。
思い出せるのは、お湯の入った洗面器のような器に牛乳瓶が入っていて、脇にはおつり用の1円玉が重ねてある・・・それだけ。
お化け映画などが上映されているときは最悪でした。
上映中は人っ子一人いないところに、館内から怖い音が漏れてくるし、右手奥の暗いトイレの戸が揺れるし・・・。
いまだにホラー映画などは観ませんね。
でも、映画は今も好きです。
松坂さんのように、映画館が好きなのかもしれません。
映画館に行くことはまれになりましたが、いつもどこかで繋がっていたいと思っていますね。
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