映画「殿、利息でござる!」
映画「殿、利息でござる!」、仙台での先行上映を観てきました。
東日本放送の開局40周年記念ということもあってか、とにかくテレビのスポットCMが凄いですから、久しぶりの映画館行きとなりました。
困窮している宿場町を助けるために、お上に千両を貸して、利息を受け取る、という奇想天外な計画・・・。
最初から最後まで、気持ちよく鑑賞できました。
実話ですが、やはり映画ですから、軽快に楽しく・・・。
人の善意が次々と派生していく、そんな展開を見るのは気持ちがいいですね。
でも、テロップを見ていけば、決して短期間でスムーズに進んだわけではなく、一年一年積み重ねていっていることがわかります。
見えるのは貧しい光景ですが、現代の時間の流れを考えれば、そんなことさえ贅沢に感じたものです。
↓原作本 |
現在の価値に換算した金額や役名などがテロップに出たり、当時の状況をナレーション(濱田岳)で詳しく説明があったり、ととても観やすかったですね。
そのおかげで、人情部分などのほうに集中できました。
主人公の穀田屋十三郎(阿部サダヲ)の弟・浅野屋甚内(妻夫木聡)や亡父(山﨑 努)の真実の想いが明らかになり、なぜ計画に参加するのかがはっきりしたときには感動しました。 なぜ兄の十三郎のほうが養子に出されたのかも・・・。
十三郎の長い間の誤解も解け、図らずも今回の計画も家族の血を感じさせる行動になっていました。
幼い頃、遊びながらも知らず知らずに父親の教えを身につけていて、それが最後の最後に力を発揮するシーン(お上に金を借りてもらう)に繋がるんですね。
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十三郎ひとりでできることではなく、志のある人たちが集まるわけですが、中には勘違いして欲得で参加する者がいたり、となかなか人間的といえば言えて、観ていて逆にホッとしたりもしました。
オープニングまもなく、茶師・菅原屋篤平治(瑛太)が十三郎の死を覚悟の訴状と、自分のお茶のお墨付き?を入れ替えるシーンは格好よかったですね。
その後に彼が計画を思いつくのですが、どこまでも真剣さがもうひとつの感じ、それも時を追って変わっていくのが、生真面目一方の十三郎とまた違って存在感がありました。
十三郎の弟で、父の教えを守って、その父同様にケチの汚名を背負ったままで生きてきた甚内役の妻夫木さん。
昨夜「ミュージック・ポートレイト」(NHK・Eテレ)での満島ひかりさんとの対談で、演技について語っていたので、よけいに感慨深かったですね。
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今回、松田龍平さんが演じる藩の財政担当・萱場役は、なかなかお金を借りてくれない、その壁となる役回りで、ひとり悪役?ですが、何だか楽しそうでした。
その他の俳優も、いつもは一癖も二癖もある役が多いのに、(特に代官役・堀部圭亮など)若手とともに計画に対して真っ直ぐな感じが、何だか気持ちよくて面白かったですね。
最後に、外せないのが、殿・伊達重村役で登場の羽生結弦さん。
もうハラハラしていたんですが、素人とはいえ、場を壊すことなく堂々と演技していましたね。
スポットCMで紹介されたよりもずっと長く、セリフも多くて驚きました。
多勢が見守る中での演技とか表現力、集中力は、フィギュアスケートと通じるものがあるのでしょうね。
誰かが “「ALWAYS 三丁目の夕日」の時代劇版” と評していました。
内容はまったく違いますが、なるほどと思いましたね。
楽しくって、しんみりとして、何かを信じられるような気がして・・・。
映画「殿、利息でござる!」公式サイト
*5月14日 全国公開
「殿、利息でござる!」オリジナル・サウンドトラック [安川午朗]
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