ボブ・ディランと「アヒルと鴨のコインロッカー」
ボブ・ディランがノーベル文学賞を受賞したニュースには驚きました。
こちらが知らないだけで、小説も書いていたのか、と勘違いしたものです。
ミュージシャンの文学賞受賞は初めてのケースらしく、発表する女性が“批判は無いのか” という記者の質問に対して、“無いことを願います” と答えていたのが印象的でした。
でも、ミュージシャンにとっては、夢が広がりますよね。
より良い作品を作ろうという姿勢になるかもしれないですし、聴く側だってそんな作品に巡り会えるわけですから・・・。
そのためというよりも、結果としてついてくるということでしょうが・・・。
考えてみれば、そんな広がりがあるのなら、たとえば俳句や短歌だって対象になるわけですよね。
まだ勉強を始めてもいない私が、その分野の人たち、先輩方を思って、何とも楽しくなったものです。
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正直をいえば、ボブ・ディランの歌は「風に吹かれて」しか知りません。
当時から、社会的な意味でも評価が高かった歌ですが、知っているというだけですね。
つい考えてしまうのは、なぜ、たとえばジョン・レノンやスティービー・ワンダーではないのか、ということ。
賛否両論があるとすれば、音楽の歌詞が対象になったことのほかに、彼であることの意味も問われるのでしょうか。
でも、道を開いたということは素晴らしいことですよね。
今日の時点で、まだ彼のコメントが聞けないのが気になりますけど・・・。
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私にとってのボブ・ディランといえば、映画「アヒルと鴨のコインロッカー」ですね。
全編に流れていて、印象に残ります。
ラストに、「風に吹かれて」をかけたままのCDラジカセを、駅のコインロッカーに入れるシーンがあります。
DVDを持っていますが、どんな意味があったのか、改めて気になって、図書館から原作本(伊坂幸太郎著)を借りてきました。
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映画と原作では、ラジカセを入れた人物も、その状況もちょっと違っていましたね。
“神様を閉じ込める” のだけは一緒でしたが・・・。
何より、原作では閉じ込めたのは「風に吹かれて」ではなく、「ライク・ア・ローリングストーン」でした。
こちらは登場人物たちとはまったく違う世代ですが、「風に吹かれて」のおかげで、映画から感じる切なさが倍増したものです。
原作本と一緒に、「歌が時代を変えた10年/ボブ・ディランの60年代」(アンディ・ギル著)を借りてきました。
さすが図書館ですね、すでに展示コーナーがありました。
映画の感想は、こちらで。⇒ 映画「アヒルと鴨のコインロッカー」 2009.3.17.
ミステリアスな部分があり、ネタバレになっていますので、ご注意ください。
<追記>2016.10.15.
原作本を持っているはずなのに、探しても見つからず図書館で借りてきました。
ほとんどボロボロ状態になっているのが、人気を感じさせますね。
実はその後、ずっと残しておくつもりの本の中に見つけました。
自分の中の意外なほどの引っ掛かりに驚かされたものです。
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