映画「シン・ゴジラ」
そろそろ良い時期かな、と映画「シン・ゴジラ」を観てきました。
評判の高い作品も、夕方1回の上映になっていましたね。
まず驚いたのは、最初に登場したゴジラの顔でした。
東京が破壊される中、しばらく長い尻尾が映っていて、なかなか出てこないゴジラの全体像。やっと出てきたのが真正面の顔で、えっという感じで、笑ってしまいそうでしたね。
昔観たゴジラとは似ても似つかない、ぐにゃぐにゃした感じで、何より目が平たい大きなボタンにしか見えませんでした。
きっとこの後に親?のゴジラが出てくるんだ、そう思いながら、破壊されつくすビル群や逃げ惑う人々のシーンを長い間眺めていたものです。
でも、その破壊される町並みの中で、川に小型の舟が山のように折り重なったシーンは、東日本大震災の津波を思い出させて、このまま帰ろうかと思ってしまいました。
この日、鳥取地震もありましたし・・・。
その気持ちを思い止まらせたのは、2度目に鎌倉に上陸したシーンがあったからです。
ゴジラは2倍の大きさになっていて、姿も本物のゴジラでしたから・・・。
昔からのゴジラのテーマ音楽も流れましたし・・・。
ゴジラの進化もですが、映画製作技術の進歩には驚かされるばかりでした。
ふだん、このような大掛かりな作品を観ることはないものですから・・・。
ラストまで、その感動は大きかったですね。
それにしても、著名な俳優さんが次から次へと現れて、つい興奮してしまいました。
日本にはこんなに俳優さんはいたのか、と思ってしまったものです。
正直、地味だけれどベテランで演技巧者と言われる俳優さんばかりでしたね。
若手もいて、ほとんどワンシーン出演という感じでしたが、埋没することも浮くこともなく、作品になじんでいて、頼もしくなりました。
個人的には、高良健吾さんのシーンが多くて、嬉しかったですね。
かなりの重要な役だった石原さとみさんは、ちょっと背伸び感があったような・・・(失礼)。
正直を言えば、事前には長谷川博己さん以外の出演をほとんど知りませんでしたけど・・・。
その長谷川さんのイメージと言えば、どこか柔な感じで、これだけの作品の主役が務まるのかと思っていました。
考えが変わったのは、最近、NHK土曜ドラマ「夏目漱石の妻」で、漱石を演じているのを観てからですね。
あの変人ぶり、あの切れっぷりに驚かされ(正直、怖かった)、だからこそ見える深い闇を抱えているような漱石という人間が見えて、素晴らしかったですから・・・。
今回の役も、大声で鼓舞するシーンなどには、どこかそれを引きずっているように見えてしまったものです。
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観る前の情報では、ゴジラの登場シーンは少なくて、会議のシーンが多いということでした。
登場人物がとにかく多くて、当然のようにその役名や役職名・部署名など覚えきれるものではなく、自分の中では適当に消化して観ていましたね。
誰かがネット上で会議シーンで眠ってしまったと書いていたので、覚悟はしていました。
何しろ、政治家や官僚が出てくるものが苦手で、日々のニュースもスルーすることが多いですから・・・。
でも、眠ることなど一切無く、自分が息をしているのかさえ気がつかずに観続けていたような時間でした。
観客は10数人でしたが、何の物音も聞こえず、同じ状況でいることが信じられる空気がありましたね。
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戦闘シーンがある派手な作品が苦手ですが、この作品は目をそむけることなく、息を抜くことも無く、必死で観続けていました。
核を使うことなく終わったエンディングに何とも安堵したものです。
長い長いエンド・クレジットを観ていると、これだけの人々、団体が関わって作り上げた作品なのだと改めて感動しましたね。
映画は総合芸術であることを、改めて思い知らされました。
亡き岡本喜八監督が写真で出演していたことをここで初めて知りましたが、スタッフの映画に対する並々ならない愛情を感じて嬉しかったものです。
1週間に一度は映画館にいたのは昔のこと。
今は年に何度か、興味が沸いた作品をネットで評判を調べて行くという状況です。
だから、予想以上でも予想以下でもなく、極端に言えば、ただ行ったという満足感があるだけでした。
でも、今回の帰り道は充足感でいっぱいでしたね。
その充足感の中身が、情けないことによくわからないのですが、とにかく映画館に行くこと、そこで得られるものであることだけはわかりましたね。
関連の記事などを見ると「エヴァンゲリオン」のことが良く載っていました。
まったく知識が無かったので、深読みなどもせず(出来ず)、逆に楽しめたのかもしれません。
<スタッフ&キャスト>
脚本・編集:総監督:庵野秀明
監督・特技監督:樋口真嗣
准監督・特技総括:尾上克郎
出演者:長谷川博己 竹野内 豊 石原さとみ 高良健吾 柄本 明 大杉 漣
他 出演者多数
音楽:鷺巣詩郎 伊福部 昭
撮影:山田康介
制作会社:東宝映画
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